ON THE PITCH(観戦記)

富山第一対星稜戦(第92回全国高校選手権・決勝戦)。

守備応対面を基盤に,戦い方を組み立てる。 基本的なゲーム・プランには,大きな変化はなかったと思います。思いますが,心理面が戦い方に微妙な影響を与えたように思います。相手の攻撃に対して守備応対面での安定性を徹底させる,という戦い方そのものが変…

PK戦の怖さ(鵬翔対星陵戦)。

決勝戦の切符に,名前が書き込まれるとして。 途中まで,星陵という名前が書き込まれるのかな,という印象でした。あともうちょっとで,星陵という名前が完全に書き込まれる,というタイミングで流れが微妙に変わってくる。すると,流れの変化が次第に大きく…

京都橘対桐光学園戦(第91回全国高校選手権・準決勝)。

自分たちの時間帯を,ゴールという形に結び付けられるか。 それとも,ゴールという形に結び付けられずに,自分たちの時間帯を手放してしまうのか。 これらを分けるのは,恐らく「僅差」とされるものかな,と思います。しかしながら,その僅差を詰めることが…

町田対草津戦(12−J2#18)。

足らざるもの,はある意味明確なのですけども。 その足らざるもの,なかなか埋められていないな,と感じました。 戦術的なフレームは,しっかりと機能しているように感じます。 でも,「何のための」フレームなのか,がちょっと曖昧になっているのかな,と思…

四日市中央工対市立船橋戦(第90回全国高校選手権・決勝戦)。

ごく立ち上がりの時間帯に,先制点を奪って。 でも,リズムを決定的に引き寄せるためには,この先制点だけでは,残念ながら足りなかった。「魔物」が国立霞ヶ丘にいるのだとすれば,それはリードを奪ったがための心理,その中にあったのかも知れないな,と思…

高円宮杯2009・決勝戦。

守備意識が,勝負を分けた。 もちろん,最終ラインの安定性もあります。ありますが,最終ラインの堅さ「だけ」が要素だったとは思えません。最終ラインが不用意に釣り出されないために何が必要なのか,と考えていくと,「守備意識」はもっと高い位置に求めら…

米子北対静岡学園戦(GL#1・高円宮杯2009)。

どうしても,軸足を意識してしまうので,「虚心坦懐」というわけにはいかないけど。 高円宮杯はいろいろな個性に触れることができる,というのが大きな魅力だと思います。選手権,という大きな目標があり,どうしてもフットボールが似たような方向性へと収斂…

FC東京U−18対浦和レッズユース戦(GL#1・高円宮杯2009)。

武蔵野苑での,プリンスリーグ第10節。 「後手を踏む」,と言うよりも後手を踏み続けたゲームだったように思います。 自分たちが攻撃を組み立てていこう,とするタイミング。ここからボールを展開して,という局面で相手のプレッシングに引っ掛かる。 ボー…

4−4−2フラットなレディース。

キックオフ・タイムは午後3時。時期的に,厳しい時間帯です。 駒場を特徴付ける,かつてのエンブレムを思い出すライト・ブラケット。そのブラケットに付いているフラッドライトを使うとしても,影になるエリアでの違和感を軽減するために使う。そんな時間帯…

桐光学園対浦和レッズユース戦(プリンスリーグ)。

勝ち点3から,勝ち点0へ。 もったいないのは,確かなことです。 ですが,「勝ち点3」を上回るレッスンをチームが受けたとも思います。このレッスン,どのように生かすか。「その先」が楽しみであったりします。 ということで,プリンスリーグであります。…

鹿児島城西対広島皆実戦(08〜09全国選手権・決勝戦)。

中野田でのゲームは,大いなるヒントだったように思います。 ひとつには,仕掛け方のヒントであり。ひとつには,“super”な前線への対応であり。 そして,大きな教訓をももたらしたように思います。どこで,ゲームを落ち着かせるべきなのか。 広島皆実にとっ…

鹿島学園対広島皆実戦(08〜09高校選手権)。

ある意味で,カップ戦準決勝「らしい」試合。 第1試合が,いささか「例外的」に過ぎたように思っていただけに,「らしさ」が際立ったように思います。 さすがに,第2試合の時刻ともなると,「日だまり」が少なくなります。ピッチに落ちる影も伸びて,フラ…

前橋育英対鹿児島城西戦(08〜09全国選手権)。

準決勝というタイミングでは,恐らく例外的なオープン・ゲーム。 ファイナル・スコアを冷静に見れば,双方ともにここまでを望んではいなかったのではないか,と思います。ちょっと厳しい見方になるかも知れませんが,それだけゲーム・コントロールに不安定性…

市立浦和対滝川第二戦(08〜09全国選手権)。

赤城颪と言うべきか,それとも筑波颪が適当か。 それはともかく,中野田には季節風が吹き抜けていました。大まかに言うならば,北ゴール裏方向から南ゴール裏方向へ。 キックオフ直前のチェンジ・サイドには,「季節風対策」もあったのではないかな,と思い…

リアルなガンバ。

意外と言えば意外。 でも、十分に有り得る話です。ハーフコート・カウンターを繰り出す相手に対してしっかりとした守備応対を繰り返し、ワンチャンスを狙い続ける。 ある意味、らしくない戦い方でしたが、クラブ選手権の収穫でもあるのでしょう。 所用のため…

Intercontinental Cup (FCWC2008・Final).

あえて,古い名称を引っ張り出してみましたが。 やっぱり,しっくりくるような印象があります。 欧州,そして南米への挑戦,という側面がある準決勝。この段階までは,確かにカップ戦らしさを感じもします。ですが,準決勝にセットされている壁は相当に堅牢…

FCWC2008(M5・Semi-Final)。

カップ戦でありながら,例外的なまでのオープン・ゲーム。 正確に言うならば,オープン・ゲームを選択「せざるを得なかった」のがユナイテッドであり,オープン・ゲームを望んでいたのがG大阪ではなかったか,と。 もうひとつの準決勝であります。時期をち…

FCWC2008(M4・Semi−Final)。

端的に,LDUキトは“リアリスティック”でした。 相手を冷静にスカウティングしているのは当然として。相手に自分たちのフットボールを展開させつつ,同時に重要なポイントでのコントロールは失わない。そして,ボール・コントロールを奪ってからの仕掛けは…

FCWC2008(M3)。

ちょっとだけ,意識をフィニッシュに傾ければ。 ともすれば,違う結果が導かれたかも知れません。 知れませんが,実際にはプレッシングへの意識は相当に強かったものの,仕掛けへの移行であったり,仕掛けの精度という部分ではやはり,実力差が存在していま…

FCWC2008(M2)。

やはり,「カップ戦」ですね。 それぞれのフットボール・スタイルは確かに感じられます。ただ,それだけでは不足している部分もあるように思えます。 「勝ち切る」ための戦略であったり,結果を引き出すためのアプローチであったり。リアリスティックな部分…

FCWC2008(M1・開幕戦)。

華やかさに欠ける開幕戦,と言っては失礼ですが。 やはり,実質的な開幕戦は“トヨタ・ヨーロッパ/サウスアメリカ・カップ”の香りを漂わせ始める,準決勝ではないかな,と思いますね。 あくまでも,UEFAチャンピオンズ・リーグとコパ・リベルタドーレス…

浦和ユース対名古屋グランパスU18戦(高円宮杯決勝)。

「衝撃的」。まさしく,そんな言葉で表現すべきゲームでしょう。 前半45分間だけで,実質的にゲームを決定付けてしまう。のみならず,戦術的な柔軟性を存分に表現する。90分という時間枠の中で,しっかりと緩急を意識したゲーム・プランを組み立て,攻撃…

市立船橋対大津戦(高校総体準決勝)。

伏線は,戦術交代に表われていました。 後半終了を意識する時間帯,フォースが掲げるディスプレイにはキーパーの背番号が表示されていました。彼らが何を意識して戦術交代に踏み切ったか,回答は明白でした。 そして,ゲームの帰趨はペナルティ・シュートア…

流通経済大柏対佐賀東戦(高校総体準決勝)。

スタンドを吹き抜ける風は,意外にも快適なものでした。 バックスタンドに掲揚されている旗を見ると,サブグラウンド方向からの風です。結構な風速であることもうかがえる。でも,ピッチレベルへ視線を落とし,コーナーフラッグを見るとそれほどの風は感じな…

さいたまシティカップ2008。

PSMには意味がない。 チーム・ビルディング初期段階のPSMならばまだしも,シーズン途中の“インターナショナル・フレンドリー”であるPSMには意味がない。リーグ戦の成績に影響を及ぼすわけでもないし,カップ戦の山を駆け上がっていけるわけでもない…

浦和ユース対FC東京U−18戦(プリンスリーグ第2節)。

得意分野と,苦手分野が比較的わかりやすい。 そんなチームかも知れない,という印象を受けた試合でした。 ということで,すごく時期外れなエントリです。でありますれば,雑感程度に書いておくことにします。 中野田での鹿島戦を前に,足を向けたのは大宮公…

高川学園対藤枝東戦(高校選手権準決勝)。

意外なほどに穏やかな,国立霞ヶ丘。 とは言え,メインスタンド側に位置し続けていると,体感温度が緩やかに,でも確実に下がっていくのですよね。「陽だまり」がなくなってしまうせいであります。秩父宮でもこの時期,メインスタンドだったり,屋根のかかっ…

流通経済大柏対津工業戦(高校選手権準決勝)。

恐らくは,相似形を描く設計図なのでしょう。 そのために,構成要素による差を浮き彫りにした。そんな印象を持っています。 国立霞ヶ丘での高校選手権であります。 この時期の国立霞ヶ丘は,総武線方向からアウェイゴール裏方向に向かって季節風が吹き抜ける…

浦和ユース対市立船橋高校戦(高円宮杯2007)。

Jリーグ基準から言えば,「規格外会場」となってしまう西が丘。 ですが,“セイン・ピスタ”として最も魅力を持った競技場かも知れません。また,2種チーム(高校チーム,クラブ・ユースを含めて)にとって,そして大学チームにとっても特別な響きを持った競…

浦和ユース対星稜高校戦(高円宮杯2007)。

理想的な形で,ノックアウト・ステージへと進出することができる。 もちろん,ファイナル・スコアも大きな意味を持つ。 もうひとつのゲームが同時刻開催であり,当面マークすべき存在である静岡学園の動向が読めない以上,彼らが第2戦で示したパフォーマン…