FCWC2008(M5・Semi-Final)。
カップ戦でありながら,例外的なまでのオープン・ゲーム。
正確に言うならば,オープン・ゲームを選択「せざるを得なかった」のがユナイテッドであり,オープン・ゲームを望んでいたのがG大阪ではなかったか,と。
もうひとつの準決勝であります。時期をちょっとばかり外していますので,いつもよりは短めに。
まずは,G大阪のことから。
相手の置かれた状況は間違いなく,G大阪に対して有利に作用していたはずです。
タイトなスケジュールを縫って,ビッグ・トーナメントに乗り込んできた。となれば,プレミアシップと同じ戦い方を,立ち上がりから仕掛けることは困難でもある。ならば,立ち上がりで積極的に仕掛け,先制点を奪取に行く。
そのゲーム・プランは確かに,横浜国際のピッチに表現されました。されましたが,セットピースでプランを崩されます。
それでも,74分の逆襲はユナイテッドにインパクトを与え,瞬間風速的なものであるにせよ,ポテンシャルを100%に近づける時間帯を生んだように思います。公式にクレジットされる3得点,中でも74分の得点はより大きな意味を持っているように思うのです。そして同時に,得点直後のラッシュ,そのラッシュに対して守備的な部分が抵抗力を持てなかったことは,恐らくG大阪が戦術を進化させていく上で鍵を握る要素,になるのかも知れません。
さて,ユナイテッドであります。
「不承不承の」オープン・ゲームだったとは思いますが。
実質的な主導権を譲り渡さない,というのはさすがだな,と思います。ただ,FCWC初戦の段階にあっては100%から程遠いコンディションであることも,明確に感じられました。守備的な方向性が,このゲームではほとんど描けなかったからです。
中盤でのプレッシングが,ボール奪取を狙ったものでもなく,ましてや守備ブロックへ追い込むようなものでもない。コンディションが上がりきっていないから,リスクを背負ってまで積極的なプレッシングを仕掛けるまでもない。そんな意識が,どこかにあったのかも知れない,と思うのです。であれば,74分の失点直後からの「牙を剥いた」時間帯は、確かに相当なインパクトがあったけれど,あくまで時間帯限定にとどまっていたようにも思います。
・・・さて。ビッグイヤー・ホルダーと,コパ・リベルタドーレス・ホルダーとの決勝戦であります。やはり,インターコンチネンタル・カップという枠組みはそう簡単に揺らぐものではありません。
このゲームでは,さすがにコンディションに問題を抱えていたのが明確だったマンUですが,次の横浜国際ではこのような状態で終わることはないでしょう。徹底したリアリストに感じられるリガ・デ・キトに,どういう仕掛けを見せるのか。そんな部分から決勝戦を眺めてみよう,と思っています。