Squad Announced.

サプライズ,と言えば確かにサプライズ。


 ではあるけれど,全体的には手堅いスコッド・リストになっているのではないかな,と思います。


 “2014FIFAワールドカップブラジル キリンチャレンジカップ2014 vsキプロス代表(5/27@埼玉) SAMURAI BLUE(日本代表)メンバー”についてのJFAからのリリースをもとに,ちょっとだけ書いておこう,と思います。

   GK:川島 永嗣(スタンダール・リエージュ/ベルギー)
      西川 周作(浦和レッズ
      権田 修一(FC東京)

   DF:今野 泰幸(ガンバ大阪
      伊野波 雅彦(ジュビロ磐田
      長友 佑都(インテル・ミラノ/イタリア)
      森重 真人(FC東京)
      内田 篤人(FCシャルケ04/ドイツ)
      吉田 麻也(サウサンプトンイングランド
      酒井 宏樹(ハノーファー96/ドイツ)
      酒井 高徳(VfBシュツットガルト/ドイツ)

   MF:遠藤 保仁(ガンバ大阪
      長谷部 誠(1.FCニュルンベルク/ドイツ)
      青山 敏弘(サンフレッチェ広島
      山口 蛍 (セレッソ大阪

   FW:大久保 嘉人(川崎フロンターレ
      岡崎 慎司 (1.FSVマインツ05/ドイツ)
      本田 圭佑 (ACミラン/イタリア)
      香川 真司 (マンチェスター・ユナイテッドイングランド
      清武 弘嗣 (1.FCニュルンベルク/ドイツ)
      柿谷 曜一朗(セレッソ大阪
      齋藤 学 (横浜F・マリノス
      大迫 勇也(TSV1860ミュンヘン/ドイツ)


 さて。これまでアルベルト・ザッケローニがどのようなメンバーを選んできたか,ということを意識してこのリストを眺めてみると,前任指揮官が構築した戦術的なパッケージに必要最低限の微調整をかけ、長期間にわたって熟成をしてきたことが強く感じられます。であれば,このパッケージを構成してきたメンバーが選ばれる,ということについては何の違和感もありません。しかしながら,このチームの活動期間はこのリリースにもある通り,1ヶ月強の期間となります。当然,この大きなユニットから競争が始まるものと見ています。コンディション面に不安を抱える主力選手も複数いることを思うと,バックアッパーとして位置付けられている(と思われる)選手も主力としてブラジルのピッチに立つ,その可能性が相当程度あるのではないか,と見ています。


 このメンバー・リストを見るに,ミッドフィールドで登録されたフットボーラーが最小限に抑えられている一方で,フォワードとしてクレジットされるフットボーラーが多いことが印象的です。ですけれど,よくFWの陣容を眺めてみると,FWとしての能力のみならずアタッキング・ミッドフィールドとしての能力を合わせ持つ(と言いますか,むしろアタッキング・ミッドフィールドであったりウィンガーとしての資質を高く持っている,と思われる)フットボーラーを含めて,FWとして位置付けていることが見えてきます。“ポリバレント”なフットボーラーをFWとして登録しているように感じられるわけです。大久保嘉人選手が登録された,ということは,当然ながらコンディションのいい選手を選ぶ,という側面があるように思いますが,大久保選手の持っているポリバレンスを意識した,という側面もあるのではないか,と感じるところです。同じく,サプライズに位置付けられるとすれば,齋藤学選手の選出が挙げられるかな,と思いますが,齋藤選手の選出には戦術的なアクセントを付けることのできる選手も登録しておきたい,という意図があるようです。


 ファースト・ラウンドからセカンド・ラウンドを見越した「戦い方の幅」であったり,ユーティリティ性にも意識を振り向けた,手堅いリスト。サプライズの側面よりも,手堅さがやはり強く印象に残る,そんなリストであるように思います。