スズキ、2015シーズンからMotoGP復帰へ。

楽しみなリリース,であります。


 今回はフットボールを離れまして,スズキからのリリースをもとにレーシングな話を書いていこう,と思います。



 さて。スズキからのリリースを(書いていない部分を勝手に補足しつつ)要約しますと。


 2015年シーズンからのMotoGPへと再参戦すべく,2012年規定に合致するマシン(でありますから,規定排気量は1000ccでありまして,最低重量は157kgとなります。)を新たに開発するとともに,このマシンを使って実戦的なテスト・プログラムをこなすためのテスト・チームを編成,すでにMotoGPに参戦している各メイクスとの合同テストなどにおいて技術的な熟成などをしていく,ということであります。


 ちょっとばかり,MotoGPでのスズキを振り返ってみますに。


 なかなか,すべてのギアがかみ合うことがなかった,という印象が強いですね。参戦最初期,それまでの2ストローク・マシンが持っていた運動性能を4ストローク・マシンに,というコンセプトを持っていたと記憶していますが,実際にマシンを操るライダーが,2ストローク的なライドを狙った4ストロークのマシン特性にアジャストしきれなかった,という印象が残っています。このときの流れが,のちにマシンの方向性に「迷い」を生じる大きな要因になっていったように思います。また,チーム・マネージメントの側面から見ると,なかなか財政面を安定させることができなかった,という印象も強く残っています。リザルトが低迷しているから,どうしてもスポンサーへの訴求力が弱くなってしまって,結果的にチームをしっかりと動かすに足るだけの基盤が脆弱化してしまった。典型的な悪循環,にスズキは陥ってしまったように思います。


 再び,この悪循環に嵌り込まないためには何が必要か。


 「テスト期間」に,マシンの方向性を確立させること,が技術面では重要でしょう。マシンの方向性が揺らぐようだと,同じ轍を踏みかねません。そして,マネージメントに大きな影響を与える,スポンサー獲得であります。このオフィシャル・フォトを見ると,現段階ではスズキのグラフィックが印象的です。このグラフィックを,パートナーのグラフィックへとしっかり変更できるかどうか,が問われるだろうと思います。


 と,なんのかんのと書いてきましたが,いささか寂しいことになっていた最高峰の舞台に,ファクトリーが戻ってくる,というのは歓迎すべき話であります。今度は,スズキというメイクスの存在感を示す,そんな形にしてくれることを期待しています。