町田のことなど。

意欲的なフットボールを狙っているな,と思いました。


 けれど,フットボールという競技は得点数で争われる競技です。狙うフットボールがどんなに魅力的なものであっても,ゴールが遠ければ勝ち点3を積み上げていくことは難しい,そんな競技です。その意味で,ゴールという部分から逆算してポゼッションを意識する,そんな姿勢がピッチからなかなか感じ取れなかったのも確かですし,勝ち点という足掛かり(手掛かり)を積み上げていくことができなかった。


 純然たる外野からすれば,「もったいない」という言葉とともに,ゴールという要素がなかなか埋まらなかった今季の戦いぶりからすれば,残念ながら降格という結果は受け入れざるを得ないものかも知れない,という思いをどこかに持ったりもします。


 今回は,ちょっと町田のことを徒然に書いていこう,と思います。


 JFLからJへと主戦場を移した町田は,なかなか面白いフットボールを狙っているようだ。そんな意識を持っていた私は,彼らの開幕戦へと足を運んでみることにしました。と言っても,彼らの本拠地である野津田ではなくて,駒沢でのゲームだったわけですが。


 思えば,このときの印象が,今季の町田に共通する印象だったかも知れません。


 自分たちのリズムで試合を動かせている,そんな時間帯は確かに多い。けれど,ゴールという要素とポゼッションとがなかなか結び付かない。逆に,相手のシンプルな攻撃に対して先制点を許し,後手を踏む。ある局面だけを切り取ってみれば,確かに主導権を掌握できるフットボールなのだけれど,全体を眺めてみると相手の術中に嵌ってしまう。


 確かに町田のポゼッションは魅力的なものでしたし,ディビジョン2を戦うクラブとしては,なかなか意欲的なフットボールを狙っているな,という印象を持ちました。けれど,ゴールという要素とどう結び付けるのか,という要素が残念ながら明確なイメージとして見えていなかったように思います。絶対的なゴールゲッターを擁して,という形ではなかったわけですから,たとえば縦方向のポジション循環が見えていいように思いますし,アウトサイドからの攻撃参加,もともとの攻撃ユニットに対して,プラスアルファをもたらせる要素が見えてもいいように思ったのですが,なかなか自分たちから仕掛けるインバランス,が見えていなかったかな,と思います。


 結果として,J参入初年度にして再びJFLへと主戦場を移すことになるわけです。ですけれど。


 個人的には,今季表現しようとしたフットボール,そのフットボールを再び積み上げながらプロモートを狙ってほしい,と思っています。そして,町田の街にフットボールがある,ということを,より多くのひとに感じてもらえるような形を作り上げていってほしい,と思います。残念ながら,彼らの本拠地である野津田は町田の中心市街地からは距離があり,なかなかフットボールの熱が中心市街地にまで届かないのではないかな,と感じるところがあります。この距離を,なんとかクラブが縮めてほしい,と思いますし,町田というクラブをオンリーワンだと感じてくれるひとをひとりでも多く,と思うところです。