攻撃か、守備か(第92回全国高校ラグビー埼玉県予選・準決勝)。

徹底した守備応対で,相手の強みを潰せるか。


 攻撃面で,相手の守備網を突き崩せるか。


 守備応対という部分で,相手の強みを潰すことは一定程度できていたかな,と思います。実際,ロースコアの試合に持ち込むこともできていました。けれど,試合を動かす得点という部分で,抑え込みきれなかった,という部分があった。逆から見れば,相手の流れであったとしてもワンチャンスをものにできる,そんな強さがあったとも言えるわけです。


 この図式,今季においても継続するのか,それとも。


 準々決勝について書けていない状態なのに,試合は粛々と進んでおります。フットボール,と言いましても,自動昇格枠がどうなったか(プレーオフがどのような形で確定することになるのか,そして降格がどこに確定したのか),という方面のフットボールではありませんでして,ラグビーフットボールのお話であります。


 正智深谷と浦和,そして深谷慶應志木,というカードになっていた高校ラグビーの準決勝であります。ありますが,今回は試合そのもの,というよりも,決勝戦プレビュー的に書いていこう,と思います。


 冒頭に書いたことで,どのチームが決勝戦への切符を手にしたのか,およそ見当がついておられるかな,と思いますが,浦和と深谷が決勝戦への切符を手にしています。この2つのチーム,らしさをしっかりと表現して決勝戦へと上がってきたな,と思います。深谷はやはり,攻撃面を強みとして慶應志木を退けているし,浦和はゲームの動かし方,そして守備応対面を強みに正智深谷を下しています。


 選手の入れ替わりがある,ということとは別に,狙う戦い方がしっかりと継承されているし,その戦い方にブレがない。ある意味当然のことではあると思いますが,明確な「軸」を感じさせるチームが勝ち上がってきた,という印象を個人的には持っています。過去の戦績を見ると,深谷は浦和の挑戦を跳ね返し続けていますし,今季もそんな図式に,と思っているはずです。しかし浦和も,今季こそは深谷を退けて近鉄花園への切符をつかもう,という意識を強めているでしょう。戦い方が明確,ということは,お互いにスカウティングで相手の強みをどう抑え込むか,自分たちの戦い方に引き込むか,という部分が見えやすいとも感じます。「負けたくない」という意識も作用して,やはりロースコアな試合になるのかな,と感じるところですが,そんな試合でもどこかに隙が出る,ように思います。その隙を突けるかどうか。どんな試合でも,ディテールが勝負を分けるようには思うのですが,この試合ではより,ディテールが大きな鍵になっていくような,そんな印象であります。