対川崎戦(12−31A)。

主導権を握りかけながら,相手にそのリズムを引き戻されてしまう。


 やはり,チームとしてのパフォーマンスが落ち込んできているな,と思います。外野から見ても,チームが疲労を蓄積しているように感じられるし,その疲労がチームから機動性とインテリジェンスを奪っているように感じられます。表現すべきフットボール,そのフットボールに対するブレは感じないけれど,クオリティが残念ながらシーズン当初とは違ってきているようです。シーズン序盤にはペース・コントロールが課題かな,と思っていた状態が,現段階だとペースをどうつかむか,という状態になってしまっています。


 であれば,落ち込んできているチームのパフォーマンスに対する刺激になるのはスターターとしての場所をつかみきれなかったフットボーラー,であってほしいのですが,なかなかそういう形になっていかない。もっと,突き上げてほしいし,指揮官の評価を覆してほしい,と思います。総力戦を挑まなくてはいけないタイミングに,総力戦が挑めないのはやはり厳しいものがあります。


 アウェイ・マッチな川崎戦であります。今回はちょっと短めに。


 なかなか先制点を奪えなかった,と言う状態から思えば,今節先制点を奪えたことは確かにいいこと,ではあります。ありますが,この先制点が主導権を握るきっかけとして使い切れなかったことは,大きな課題かな,と思います。もちろん,相手にリズムを引き寄せられる,その局面だけを取り出せば,相手に守備ブロックを突き崩された,というわけではありませんが,シーズン終盤にかけて,浦和に欠けてしまっている要素,リスタートから得点を積み上げていく,という部分を相手に表現され,主導権を相手に譲り渡してしまったことが,この試合での大きな要素かな,と見ています。結果に対する意識が,攻撃面と守備応対面でのバランスに微妙な影響を与えている,という側面もあるでしょうが,先制点を奪いながら,心理面でなかなか相手に対して優位に立てないのは厳しいな,と感じます。


 戦術的な約束事であったり,チームに通っていなくてはいけない規律であったり。


 そういう部分が問題を抱えている,というわけでは決してありません。冒頭にも書いたように,チームを構成するユニットが,あまりに小さいままで来てしまった,そのネガティブが結果に悪影響を及ぼしているように感じるわけです。


 機動性の基盤となるフィットネス,そのフィットネスが落ち込んでいるから,インテリジェンスにも悪影響が出てくる。指揮官が狙うフットボールは,機動性だけでなくインテリジェンスを要求するものであるはずです。このバランスがちょっとであろうと崩れてくれば,チームとしてのパフォーマンスは下降曲線を描いてしまう。「現段階」における位置,順位も当然重要な要素ではあるのですが,チームが小さいままでギリギリの戦いを続ける,と言うよりは,新たな化学反応をピッチに表現させるべき時期,であるように感じます。