ケーターハムとディエップが提携。

個人的には,フォーミュラよりもスーパー7のイメージですね。


 ガレージを持っていない立場としては,なかなか選択肢に入れることのできなかったクルマですが,それでも魅力的だったことは間違いありません。興味を持ち始めた当時は,ケント・ユニットにBDRが中心となっていました。その後間もなく,ボクゾール・ユニットが搭載されるようになるわけですが,クラシカルなフォルムにはシンプルなエンジンが雰囲気だろう,と思っていますので,いまでもケント・ユニットのセブンというのはなかなか魅力的なままであったりします。


 しかしながら,フロント・フェンダーの選択は難しいですね。サイクル・フェンダーが持っている雰囲気も悪くないし,クラムシェル・フェンダーの優美さも捨てがたい。空力面,などという現代的な要素を考えるならば,結論(選択すべきフェンダー)はひとつかな,と思いますが,クラシカルなエンジンにはクラシカルなフェンダーもいいな,なんて思うのです。


 今回はフットボールを離れまして,こちらのニュース記事をもとにルノーとケーターハムが提携,という話をちょっとだけ書いていこう,と思います。


 この記事を大ざっぱに要約しますと,ルノーとケーターハムは次世代スポーツカーの開発,生産について提携関係を結び,生産についてはディエップ工場が担当する,とのことです。この記事でも指摘されるように,フォーミュラでの関係(シャシーコンストラクターとエンジン・サプライヤーとしての関係)が市販車にまで拡張された,というお話なのだろうな,と感じるところですが,UKのスポーツカー・メーカを指名した,というのはなかなかに鋭いのではないかな,と思っています。


 UKのスポーツカー・メーカは,決して強い印象を残すエンジンを搭載してくることはありません。むしろ,市販車のエンジンを搭載することが多いくらいです。7をもともと設計したロータスにしても,エンジンがその個性を決めていたわけではありません。スプリジェットにしても,意外に普通なエンジンを搭載していました。では,ロータスやスプリジェットは何で評価されたか,となると,やはりバランス,それもシャシー・エンジニアリングを基盤とするバランス,であります。シャシー設計や足回りの設計で個性を決定付けていたわけですね。そんな要素は,同じくUKのスポーツカー・メーカであるケーターハムにも受け継がれているものと思います。オリジナル7をご先祖さまとする,現代的な基準から見れば「古典的」なシャシーを徹底的に磨き込み,最新鋭のスポーツカーと真正面から勝負できるクルマを仕立ててきているわけですから。そんな,シャシーに対するこだわりをルノー,と言いますか,かつてのアルピーヌの血統に連なるルノーのセクションは意識したのかな,と思うところです。


 いずれにしても。オールドファンなクルマ好きにとっては,気になるメーカ(と言いますか,かつてのチューナー)の提携でもありますし,どんなクルマが仕上がってくるのか,期待したいと思います。