対オマーン戦(アジア最終予選・アウェイ)。

ホーム無敗の相手を退けられたこと。


 最も大きな要素であるように思います。


 代表戦,それも国際親善試合ではなくて,ワールドカップ本戦への切符がかかった真剣勝負ですから,「勝ち点3」を奪うことが最優先課題であるのは当然と言えば当然ですが,難しい試合となりがちな中東でのアウェイ・マッチであります。欧州的に,「勝ち点1」確保でも及第点かな,と思う部分はどこかにありましたし,試合展開的にそう思わざるを得ない時間帯もありました。そんな時間帯を経て勝ち点3を引き寄せた。


 課題も感じられるゲームでしたが,勝ち点3を奪えたことを評価すべきかな,と思います。マスカットでのアウェイ・マッチであります。


 1−0で試合を折り返して,45:00から再び時計が動き出してから,ちょっと課題が見えてきたのかな,と思います。名波さんが指摘していたように,チームが後傾気味かな,と感じたのです。ビハインドを跳ね返すべく相手は積極的に仕掛ける姿勢を見せてきたな,と思ったわけですが,その仕掛ける姿勢に対して反応が後手を踏む局面が出てきたのかな,と感じたわけです。


 大ざっぱに言って,試合開始時刻もこの印象に大きな影響を与えているように感じます。前半の段階で明確な消耗をしている,とまでは感じられなかったけれど,やはりボディブローのように暑さがフィジカルに効いてしまったように映るわけです。高い位置からのディフェンスがあまり効いていない,という意識があったのか,(前半段階と比較して,ですが)低めに構える時間帯が出てくる。全体を相手に引き延ばされる,というわけではありませんが,コンパクトさがちょっと見えにくくなっていて,そのために相手ボールホルダーへのアタック,このタイミングがずれる感じが出てきた。FKから試合をイーブンに引き戻される,その要因であったように感じます。


 けれど,チームは「勝ち点1」の確保,という意識ではなくて,「勝ち点3」奪取という意識でここからの時間帯を戦っていたようです。外野からすると,ともすれば「勝ち点1」確保に向けた戦術交代と見えてしまいますが,実際には中盤の展開力を引き上げていく,というメッセージを込めたものであるようです。そのメッセージは,決勝点の局面で明確なものとなります。


 中東でのアウェイ・マッチとなると,どこか構えるところがあります。


 主導権を握っていながら,鋭いカウンターアタックからワンチャンスに沈む,などという形を見たこともあります。それだけに,どのようなゲーム・コントロールをしていくのか,という部分が気になっていました。この試合を見る限り,主導権という側面から見れば,決して理想的な展開ではなく,むしろ相手が試合を動かしていた時間帯も長かったように思います。ホーム無敗,という意識も,相手が主導権を握りに来た,その要因になっているかな,と思います。それでも,「勝ち点3」という結果をしっかりと引き寄せられたことは大きなものがある,と感じます。