ホンダの新たなGT500。

こう言っては失礼かも知れませんが。


 隠れたGT最強マシンではなかったか,と思います。


 もともとウェイト・ハンディキャップ制を採用している選手権であります。マシンのポテンシャル「だけ」が選手権を左右する要素ではない,ということがこのハンディキャップ制からもうかがえるのですが,ミッドシップ・レイアウトのマシンを持ち込むがためのハンディもあったと聞きます。


 であれば,どこかに不完全燃焼感もあっただろう,と感じます。前面投影面積からして劣っているはずのマシン,その後塵をなぜに拝さなければならないのだ,と。童夢のボスも,NSXが持っているパフォーマンスを知っている立場だからでしょう,自身のコラムでなかなかに厳しいことを書いておられました。


 ちょっと言葉としては不適当かもしれませんが,「やられたままでは終わらない」という姿勢を,この新たなマシンによって明確にした,というような印象を持ったりもします。



 今回は,フットボールを離れまして,ホンダさんのニュースリリースをもとにレースな話を。


 2009シーズンまでの主戦兵器は,NSXでありました。


 正確な年限までは憶えてないのですが(申し訳ない),生産終了となったモデルは,終了した年から数えて何年後かに,公認が切れてしまうはずでして。であれば,ホンダさんとしてもNSXに代わる新たなGT500を開発する必要があった,というわけです。


 そこでホンダが取った選択肢は,純然たるレーシング・マシンを投入すること。


 新たなマシンは,車両規則を読み込んできただろうことが容易に想像できるものです。リリースにあるように,基礎的なマシン・レギュレーションに合致していることは当然として,車両規則から逆算することでマシンに対するネガティブを徹底的に消し去っていく,というアプローチをとっているだろう,と思っているのです。ホンダ・レーシング,そしてホンダとの協力体制のもと,車両開発やレース・オペレーションを担当している童夢さん(アウディに対するヨースト,という感じでしょうか)ならば,間違いなくやっているだろう,と思うわけですね。


 オートスポーツさんなどを見ると,すでにテストをはじめているとか。


 実際にどれほどのパフォーマンスを見せてくれるのか,というのも興味あるところですが,ホンダがどの段階で,このレーシング・マシンを思い浮かべるような市販車を投入してくるか(個人的には,大排気量FRが好みでもありますし、アストンとは違ったモダン・デザインなFRが出てきてほしいわけですね。),というのも興味あるところであります(期待とも言う)。