岡野選手移籍に思うこと。
「門番」が存在感を示すリーグ,という印象です。
今季で言えば,SAGAWA SHIGA FCでありましょう。
21ゲームを消化した時点でのスタンディング(JFLオフィシャル)を見ると,上位から中位あたりにかけて相当に窮屈な状態である一方で,2位と首位を走るSAGAWAとの勝ち点差は5。
彼らのポジションから勝ち点差を見直すと,7に広がります。
最もコンディションとして厳しい夏場から終盤にかけて,この勝ち点差を縮めていきたい。となれば,チームを加速態勢に持ち込みたい,と。得失点差を見れば,決して首位を走るクラブに遜色はないけれど,ここまでの戦績を見るとリズムを崩した時期も見受けられます。
チームに刺激を,という意図と,攻撃面をさらに強めていく,と。
アウトサイドから推理するならば,そんな意図だったでしょうか。
タイトルでお分かりでしょうが,ガイナーレさんのリリースをもとに。
岡野選手が主戦場として選んだのは,JFLであります。
プロフェッショナルを射程に収め,現実的な目標としているクラブや,実業団としてのスタンスを崩すことなく戦うことを選んでいるクラブなど,バラエティに富んだクラブが主戦場としている,フットボール・リーグであります。トップ・ディビジョンと比較すれば,コンディションの厳しい(=夏場であっても13:00キックオフ,などということが結構ある)中でゲームを戦うことが多いので,どうしても機動力勝負と言うよりは,守備面での安定性を基盤としながら縦に鋭く仕掛けていく,という形になりがちであります。実際,(それほど多く見ているわけではないのですが)浜川などで見た印象としては,ちょっと前までのディビジョン2的な戦い方を見せるクラブが多いかな,と。
ただ,今季は時間的に限定が付くとは言え,機動性をもうひとつの基盤として意識付けてくるクラブも見えてきているようです。戦術的にも,緩やかに広がりを持ってきているのかも知れない,と思うところです。
そこで,トップ・ディビジョンを長く戦ってきた経験が生きるといいな,と思います。
岡野選手と言えば,どうしてもスピードを主戦兵器としている印象が強くあります。ありますが,経験が戦術眼を育ててきているとも思うわけです。トップスピード,という部分では全盛期とは違っているはずですが,仕掛けていくタイミングであったり,パスを引き出す動き出しであったり,という部分などで「いまの」岡野選手らしさが見えてくるのではないかな,と。
インディアン・サマーと呼ぶには,まだまだ時期尚早でありましょう。
インディアン・サマー,という言葉を寄せ付けないようなフットボーラーが,三ツ沢方面にもいますし,ぜひ岡野選手にもディビジョン2へのプロモート,そして再び“J”の舞台でその姿を,と思っています。