想定通りの積み残し(天皇杯のことなど)。
やはり,思った通りでしたね。
「見事なまでの積み残し」であります。
天皇杯の問題は,スケジュール面にも確かにあった。このスケジュール面という部分に,中途半端であるにせよ,手を付けたのは評価できる話です。
しかし。もうひとつの課題は見事に残ったまま。何らかの道筋を付けるべき時期,ではないでしょうか。タイトルにも掲げましたが,今回は天皇杯の話をトーナメント・ドロー(JFAオフィシャル)をもとに。
端的に課題を指摘してしまえば,
「2回戦段階で,決勝戦までの道筋が分かってしまうこと」
「ホーム開催権を「実質的に」JFAが決めているようなものであること」
「でありながら,各クラブはゲーム主管という立場ではなく,プロフェッショナル・レベルの運営という側面では不慣れな各都道府県FAが試合を主管せざるを得ないこと」
「フットボールという競技のプロモーションを担当させられるプロフェッショナル・クラブと,ホームで戦うことを実質的に許されるクラブとが,どのように分けられているのか不透明であること」
などが挙げられると思います。
確かに,早い段階でプロフェッショナル・クラブと対戦できるというのは,ハイ・アマチュアやセミ・プロフェッショナルなチームにとっては魅力でありましょう。ならば,2回戦だけでなく3回戦以降も「誰と当たるか」という,緊張感を持ち込んでほしい,と思うのです。オープン・ドロー,ということです。そして,JFAからのリリース経由で対戦相手を知る,のではなく,JFAハウスあたりで各クラブ担当者が一堂に会し,ドローを行えば,もっと天皇杯への興味を持ってもらえるのではないか,と感じます。つまり,FAカップが使っているフォーマットを持ち込んでみてほしい,と思っているわけです。
となればもちろん,ホーム開催権もドローで「基本的に」決めてもらいたいな,と感じるのです。
確か,イングランドではアマチュア・クラブに限らず,下位カテゴリを戦うチームがホーム開催権を引き当てたケースでは,上位カテゴリを戦うクラブ(たとえば,プレミアシップを戦うクラブ)にホーム開催権を譲り,その代わり,入場料収入などを回してもらう(=実質的に,ホーム開催と同じ効果を財務面で狙う),などの方策も用意されている,と(どんなメディア経由だったかは失念しましたが)見聞きした記憶があります。
せっかく,ラウンドごとのインターバルが広がったのですから,イングランドを参考にしたトーナメント設計ができないものか,と感じるわけです。
もちろん,ベニューをどのようにして抑えるのか,などの実務的な課題はあるはずです。ですけれど,トーナメントとしての魅力をどのように高め,小さなカップが持っている伝統や権威をどのようにして維持するか,という要素に優先順位は置かれるべきでしょう。
フットボール・カレンダーの全面変更,という課題も大事かも知れない。ただ,同じJFAがコミットするトーナメントとして,この中途半端さは早急な対策が必要ではないか,と思うのです。