対大分戦(09−18A)。

歴史を振り返り見れば。


 あり得べき話,という見方もできたでしょうか。そして,そんな想定から大きく外れることもなかった,と。


 そういう言い方もできましょうが,戦術的な部分で抑え込まれもしたな,と思います。あくまでもロジカルな部分で,打ち破れなかった壁があった。アウェイ・大分戦であります。


 実際にピッチをこの目で,というわけにはいきませんでしたので,ごくカンタンに。


 相手側から考えてみますと。


 今季の不振は,主力が相次いで離脱する事態に見舞われ,パッケージをベストの状態で維持することができなかった,という部分もありましょうが,「守備的な安定性」が大きく揺らいだことが相当に大きな影響を与えているように思われます。その揺らぎを,「原点回帰」によって抑え込もう,というのが,監督代行の意図だったように受け取りました。最終ラインから中盤(特にディフェンシブ・ハーフ)がしっかりとしたブロックをつくり,そのブロックで攻撃を抑え込む,というイメージを相当程度に徹底していたような印象です。


 つまりは,08スペックに戻した相手に抑え込まれた,と。


 そして,浦和が最も窮屈さを感じるフットボールが,08スペックの大分が展開するようなフットボールである,とも言えるかも知れません。ポゼッションから仕掛けを加速させようとするときに,どのような形で仕掛けるスイッチを入れていくか,という部分で,まだチームとしてのオプションが多くはないな,と感じます。「個」と「組織」,そのバランスがまだ取り切れていない,と感じるわけです。


 ひとりで決定的な局面まで持ち込む,という形の仕掛けイメージを狙っているわけではないはずです。であれば,複数の選手が描くイメージが,ひとつのイメージにつながっていかないと,攻撃が最終的な局面にまでつながっていかないし,攻撃を高い位置で循環させることも難しい。共有できている仕掛けイメージ,その幅がまだ広くはないから,タイトにブロックを構築してくる相手に対して揺さぶりをかける有効打が打ちきれなかった,と。(戦術交代も作用してはいますが)その結果,リズムを相手に掌握されることになり,決勝点を奪われることにもなった。


 ひとつひとつ,着実にオプション(戦術的な引き出し,というか仕掛けるスイッチと言いますか)を描き出し,チームでイメージを束ねていく。今節は残念ながら,ネガティブな方向でイメージを描いてしまったところがありますが,「勝ち点0」という結果と引き換えに,どういうイメージを描くべきか,逆にどのようなイメージに引きずられてしまうと,チームが機能を落としてしまうのか,ピッチで体感できたはずです。


 あくまでも,09スペックなフットボールは発展段階のものです。さらなる進化のヒントを,この敗戦からしっかりと,冷静に拾い出せばいい。


 必要以上にネガティブになる必要はない,と思っています。