楽しみなCR-Z。

DNA,という部分では継承されている要素もあるでしょうけれど。


 実際問題として,ライトウェイト・スポーツは断絶していたように映ります。


 VTECを搭載した最初のモデル,インテグラはもともと1600ccだったはずですが,”タイプR”が設定された最終型では,排気量が2000ccにまで拡大されています。シビックも同じで,”タイプR”が設定されるのは4ドア・ノッチバックのボディです。ディメンションを冷静に見てみれば,ほぼセグメントDに近いボリュームです。スポーツ・セダンとして魅力的な大きさ,という見方も当然に成り立ちますし,個人的にもそういう見方に与したいところですが,ライトウェイト,と言うよりはミドルウェイト・スポーツという立ち位置に近くなっているな,という印象だったわけです。


 やはり,ライトウェイトというと,“CR−X”という姿が浮かびます。そして,新たなハイブリッド・スポーツに付けられた名前は“CR−Z”。断絶が継続するのではなくて,さらに進化した形で戻ってきた,という思いがあります。



 今回は,フットボールを離れまして,webCGさんのニュース記事をもとに,クルマの話を。


 なかなかにアグレッシブなフロント・セクションであります。どことなく,フォーミュラ・マシンといいますか,LMPマシンに採用されるデザインをフォーマットとしているような印象を受けます。このオフィシャル・フォトでは,LEDヘッドライトが採用されておりますが,恐らく市販型ではキセノン・ディスチャージでしょうか。ただ,シャープな印象がなかなか巧みに表現されているライト・ハウジングでもありますし,このデザイン・イメージは引き継いでほしいところです。


 そして,リア・セクションはコーダトロンカ・スタイルです。要は,スパッと切り落としたようなデザイン・フィニッシュというわけです。そして,後方視界を確保するためにエクストラ・ウィンドウを備えてもいます。もともとCR−Xに採用された重要なデザイン・キューでありますが,インサイトもこのデザイン・キューを引き継いでいました。


 さて。ドライブ・ユニットでありますが,同時にフィット・ハイブリッドの発表もされていることから,インサイトに搭載されているユニットと基本的には同じ,ではないでしょうか。ただ,モータ・アシストに関するセッティングは,インサイトやフィットとは微妙に変えてくる可能性もある,と思っています。レクサスがやっているように,ハイブリッド・システムによるアシストを過給器的(たとえば,スーパーチャージャーのような)に,という方向性もあるはずですし,ホンダは基本的にエンジンを主要な動力源として位置付けている,という印象もあります。となれば,スポーティなセッティングを施したハイブリッド,というのも大いにあり得るのではないか,と思うのです。


 発売時期は,2010年とのこと。


 ライバル・メイクスであるトヨタがどう出てくるか,という,経済紙的な興味もちょっとありますが,それ以上にライトウェイト・スポーツが本格的に戻ってくる,という方が圧倒的に楽しみであったりします。