対清水戦(09−QF#1)。

先手を取ってハーフタイムへ,という意識でしょうか。



 90分ハーフのゲーム,その前半を戦って先手を取った。

 相手は,“アウェイ・ゴール”という要素に活路を求め,後半に向かってくる。

 それでも,「仕掛ける時間帯」をつくらなければ,アウェイ・ゴールに意味を持たせることはできない。

 

 対して,浦和は「先手」を取ったことが戦術的な自由度につながっている。

 1週間,というインターバルを置いてはいるものの,実際にはリーグ戦が挟まっている連戦でもある。どれだけリズミカルに“イングリッシュ・ウィーク”を駆け抜けることができるか,もまた問われてくる。



 総合力が問われるタイミング,とも言えるでしょうか。

 そんなタイミングに,結構な収穫があったかと思われます。



 ヤマザキナビスコカップ,その第1戦であります。

 今回は,いつもよりも短めで。



 いつも通り,いささか大ざっぱな言い方をすれば。



 第1戦の収穫は,サイドへの意識が再び徹底されたこと,となるでしょうか。

 「縦」への鋭さを仕掛けるスイッチにできるタレントが,いないわけではありません。

 ありませんが,パス・ワークに意識が強めに傾いてしまうと,どうしても仕掛けるスペースが小さくなってしまう傾向があります。



 仕掛けを強めるスイッチを,となれば,オープン・サイドをつくりたい,と。



 フィジカルとのバランスがあってか,ボール・サイドに相手を引き付けるという方向性がちょっと抑え込まれ気味だったのですが,このゲームではバランスが戻ったような印象です。エリア,といいますか,グリッド・ベースでのイメージは固まりつつあるという印象ですから,チームが加速できるタイミングもそれほど遠くはないかも,と(いささか楽観的な観測をすれば)感じます。



 ただ,課題面もあって。



 確かに,アウェイ・ゴールを奪取されています。

 奪取された時間帯は,今季の浦和にとって「要注意な」時間帯でもあります。

 それだけに,修正すべき要素は確かにあるでしょう。



 それでも第1戦,第2戦をひとつのゲームとして捉えれば,前半で先手を取ったのは間違いないところです。また,戦術的な自由度,という部分で第2戦(セカンド・ハーフ)を考えるならば,相手よりも多くの選択肢を残すことができているはずです。



 第1戦と同じく,先手を取ることができれば,SFへの指定席切符はさらに近付くものと思っています。