昇格と刺激と。
なにやら,強いメッセージ性を感じさせるものがあるような,そんな気がします。
ということで,「U22の両翼」水野、家長昇格 (nikkansports.com)という記事をもとに,ちょっと短めに書いていこうかな,と思います。
今回の追加招集選手でありますが,ニュース・リリース(JFAオフィシャル)をもとにしながら,ちょっとシッカリと書いていきますと。
MF:水野晃樹(ジェフユナイテッド市原・千葉)
家長昭博(ガンバ大阪)
本田圭佑(名古屋グランパスエイト)
FW:巻誠一郎(ジェフユナイテッド市原・千葉)
佐藤寿人(サンフレッチェ広島)
松橋章太(大分トリニータ)
矢野貴章(アルビレックス新潟)
当然,代表チームに向けたメッセージも強烈だな,とは思います。
「追試」を設けた,というのは攻撃陣に対して「実績」よりも「実際にピッチに表現できているパフォーマンス」を重視していることを明確に示しているように感じます。ちょっと前にも書きましたが,フィニッシャーと言えども常に安定してパフォーマンスを発揮できるとは限らない。コンディションからは完全に自由にはなれない。そのコンディションをできるだけ高みで安定させることができること,を代表選手に求められる要素として求めているような感じがします。
このことを裏返せば,現在リーグ戦やカップ戦で活躍している選手が,もうちょっとの期間安定して同じパフォーマンスを発揮できるならば,代表選手としての可能性がある,ということもメッセージとして込められているように感じられます。
FWだからといって,守備的な要素を軽視するようなタイプの選手は選ばれない。チームが最前線からシッカリと連動しながら,組織的な守備を仕掛ける。そんなフットボール・スタイルを表現するには,FWであっても守備的なセンスを求める。イビツァさんの意識の一端がここにあるのは間違いないところでしょう。
しかし,FWは“フィニッシャー”でもある。
このフィニッシャーとしての嗅覚であったり,感覚が鈍っているのに,守備的な貢献度だけで代表への選出を無条件にしているわけではない。FWが持っているべき資質,その優先順位を明確にする,という意味でも,今回の追加招集というプロセスはメッセージ性を持っているように思えます。
もうひとつは,年代別代表に対して向けられているようにも感じるのです。
どうしても,年代別代表からフル代表へ,という段階的なステップをアウトサイダーであるワタシたちも意識するし,恐らくクラブやコーチング・スタッフも意識しているような感じがします。ですが,フル代表は「年齢制限」の掛かっていないカテゴリです。この制限は上下両方向に対して当てはまるはずです。代表選手として十分以上に活躍できるポテンシャルを持っているならば,フル代表として選出しない理由はない。
恐らく,攻撃の起点として強く意識しているだろうアウトサイド(と言いますか,サイド・ハーフと言いますか),このタレントを分厚くしたいという意図があるのでしょう。アウトサイドに攻撃的な部分で破壊力を持たせる,という意識からU22代表の水野選手であったり,家長選手を引き上げてきたのだろう,と想像します。
どんなカテゴリであろうとも,フル代表にとってプラスになる可能性を感じるならば,積極的に引き上げ,実際にテストをしてみる。ステップという意識が,どこか「固定観念」になっていることを,今回の選出が示しているような感じがします。
トレーニング・スケジュールも本格的に動き出したようですが,選手招集の段階から,あらゆる部分に「刺激」が隠されている。やっぱりタヌキ(深謀遠慮を持った一流の策士であり軍師)ですな。