対Sydney FC戦(ACL Matchday 2)。

グループリーグを考えれば,十分以上に価値のある「勝ち点1」ではないか,と感じます。


 グループリーグ第2節,シドニーFC戦であります。ちょっと時期を外してしまっていますから,ごく短めに。


 少なくとも,チームのコンディションは上昇曲線を描きつつあるな,と感じます。ただ,確かにゲームへの入り方はあまり望ましいものではありませんでした。


 立ち上がりの時間帯,シドニーFCサイドに一気に流れを持って行かれてしまうわけですが,その流れを,熟成過程にあるチームがしっかりと引き戻すことができた。アウェイにおいて,手放しかけたリズムを再び引き寄せるのは,なかなか難しいものがあるような感じがします。過去,ACLに参戦していたクラブのことを考えても,アウェイではかなり苦戦を強いられている印象が強いですが,その要因は立ち上がりからリズムをしっかりと掌握されてしまい,そのリズムを引き寄せられずに終わってしまった部分があるからではないか,と感じます。
 この部分で,浦和はしっかりとリズムを引き寄せることに成功している。確かに,逆転をも狙えるような流れにはなっていたようには感じますが,少なくともグループリーグを優位に戦っていくための「勝負権」を維持はした。このことは大きいと思うのです。


 また,リズムを引き寄せたという部分に関わると思うのですが。


 半ば相手に合わせる形での布陣変更ではありましたが,4バックへの移行をしてからのリズムは,間違いなく先につながる要素を感じさせるものでもありました。
 シドニーFCに限らず,3トップ,あるいはウィンガー的な要素を強くするミッドフィールダーを含めて3人で前線を構成するスタイルを採用するクラブは増えてきています。この布陣に対して,安定した守備応対を意識するならば,ある程度は4バックを同時に意識しておく必要があるように感じるのですが,この点に関して,浦和は4バックを柔軟に運用できるという部分を示してくれたような感じがします。


 ACLという部分を見れば,グループリーグでの勝負権をしっかりと確保することに成功し,本来の主戦場であるリーグ戦(Jリーグ)を意識すれば,戦術的な幅を獲得することに成功した。「勝ち点1」以上の意味を持ったゲームのように感じます。