対甲府戦(14−GL#6)。

勝ち点3を積み上げ,セカンド・ラウンド進出を決めること。


 カップ戦では,優先順位が結果(グループリーグですから,勝ち点を積み上げること)に置かれるのは当然です。第6節の段階でセカンド・ラウンド進出を決める勝ち点3を積み上げ,グループリーグ最終節にフリーハンドを用意できたことは大きな収穫であります。勝負強さを,安定して表現できるようになっていることも,大きな要素であると感じるところです。ではありますが,カップ戦にあっても内容面も意識しておくべきかな,と思います。ちょっとだけ今季序盤に見えていた課題が戻ってきてしまったかな(時間帯に微妙なズレがあるようにも感じますが。),と思わせる部分もあったように感じます。小瀬でのグループリーグ第6節,甲府戦であります。今回は敢えて,課題面を中心に思うところを書いておこう,と思います。


 さて。今季序盤,後半立ち上がりからゲーム・クロックが60:00を表示するあたりまでの時間帯で戦い方が不安定になる,と言いますか,相手に主導権を掌握されてしまって,なかなか相手から主導権を引き戻すきっかけがつかめない状態が見て取れていたように思います。この課題,クリアしつつあるように見ていたのですが,今節はちょっと,この課題が見えてしまったように感じられます。しかし。今節に関しては後半開始直後から相手に主導権を引き寄せられる,というよりも,前半途中の時間帯から試合を落ち着かせることができない状態に入り込んでしまって,この流れを後半にも持ち込んでしまった,という印象です。


 国立霞ヶ丘でのリーグ戦を思えば,厳しい展開が想定されるところです。であれば,早い時間帯でセットプレーから先制点を奪取できたことは,理想的な試合の動かし方ではないかな,と思います。先制点を奪ったことで浦和が狙う戦い方で試合を動かしやすくなる,たとえば相手が攻撃的な姿勢を強める,その背後を狙って逆襲を仕掛けるなど,戦い方に一定程度のフリーハンドを持つことができる,という側面は確かにある,と思うのです。


 ここで,ちょっとだけ相手目線を持ち込んでみると,今節は国立霞ヶ丘での対戦が意味を持っていたように思います。


 リーグ戦での相手は,浦和の強みを徹底して抑え込む,という側面から見れば狙い通りの戦い方が相当程度に表現できていた,と思います。反面で,自分たちが狙う攻撃へと結びつけられていたか,となると,なかなか結びつけられなかったと見るのがフェアではないか,とも思います。リーグ戦での対戦を踏まえて,恐らく相手は戦い方の微調整をかけてきた(勝ち点3を奪うための戦い方を,より明確なものとしてきた)のではないかな,と思います。対して浦和は,前半途中から相手の戦い方に対して結果的に合わせてしまう,無意識的であるにせよ,相手の戦い方を受けるような形で試合を動かすことになってしまった部分があるように感じます。


 たとえば,ポジショニングの微調整であったり,距離感の修正であったり。戦術交代を通じて,外側から微調整をかける,ということも重要ですし,今節の戦術交代はチーム・バランスを整える,という意味が大きかったように感じます。この戦術交代とともに,“on the pitch”での微調整を,と思うわけです。ディテールな部分ではありますが,“on the pitch”での意思疎通を通じて相手の戦い方に対するアジャストメントができると,さらに勝負強さが強まっていく(のみならず,チームの総合力が底上げされていく)のではないか,と見ています。