「骨格」を先行公開(次期ロードスター)。

ちょっと見ると,初代を踏襲しています。


 それだけに,どれだけの技術的なジャンプアップを仕掛けてきているのか(FRシャシーに,スカイアクティブ・テクノロジーをどのように落とし込んできているのか),個人的には興味深いものがあります。



 今回はフットボールを離れまして,こちらの記事をもとに,ニューヨークショーに出展された次期ロードスターに採用されるシャシーについて書いてみよう,と思います。


 そこで,ちょっと参考書を用意することにします。SKYACTIV−Gについての技術説明(マツダ・オフィシャル)と,SKYACTIV−SHASSISについての技術説明(マツダ・オフィシャル)であります。では,オフィシャル・フォトを眺めてみます。


 まず,エンジンであります。オフィシャル・フォトを見る限り,このシャシーにはSKYACTIV−Gが搭載されているものと思いますが,特徴的な長い吸気管が見て取れます。となると,同じく特徴的な4−2−1集合を採用する排気管の取り回しがどのようになるのか,が興味なのですが,残念ながらこのオフィシャル・フォトからは排気管のレイアウトを推理するのは難しいものがあります。たとえば,FFシャシーですと,エンジン搭載位置とバルクヘッドの位置はどうしても近付くことになってしまいます。吸気管長を最適化しようとすれば,排気管のレイアウトでかなりの工夫が必要になるはずですし,排気管の取り回しを最適化しようとすると,今度は吸気系のレイアウトに難しさが出てくるように思うのです。アテンザにせよアクセラにせよ,結構大きなディメンションを持っていますが,そのディメンションはひとつには,エンジン性能をしっかりと引き出すためのエンジン・ベイを確保する,という意味があるように思うのです。


 そこで,エンジン搭載位置を見てみます。いわゆる・フロント・ミッドシップな搭載位置を採用しているようです。となると,エンジンはバルクヘッドに近い位置に搭載されることになります。重量物はできるだけ車体中央に配置する,という考え方からすれば当然の結論ですが,この搭載位置と排気系の取り回しをどう調和させるか,が恐らく車両開発における重要な要素なのだろう,と見ています。


 続いて,サスペンション方面であります。


 記事を読むと,次期ロードスターは現行車種と比較して100kg以上の軽量化を狙う,とのことです。そこでマツダさんの技術説明を読むと,軽量化と高剛性の両立というセクションにおいて,構造の最適化と接合要素技術という言葉が紹介されています。このオフィシャル・フォトを見る限り,初代から踏襲されている要素技術が見て取れますが,各要素技術をスカイアクティブ・テクノロジーによって見直し,再構築しているようです。


 もちろん,現段階ではどのようなライド感を持っているのか,にはじまり,どのようなスタイリングをまとっているのかなど,分からない部分の方が圧倒的に多いわけですが,マツダさんはある意味,最も重要な部分から公開してきました。このことに大きな意味があるように,私には思えるのです。