対大宮戦(14−GL#2)。

最適解のひとつかな,と思います。


 リーグ戦で,どのような微調整が加わるか,という留保はあるとしても,浦和が「14型」として狙うべきフットボールを描き出すためのパッケージとして,今節のパッケージはひとつのフォーマットではないかな,と思っています。


 相変わらず,遅筆堂(あるいはビンボー暇なし)状態が継続中でございます,の大宮戦であります。当然ながら,タイミングを外しておりますので,今回はちょっとパッケージ,と言いますか,スターターな話を中心に書いていこうかな,と思います。


 さて。今節はスターターが比較的大きく変更されています。


 となると,水曜日のカップ戦には新戦力,という方向からのスターター変更とイメージしますが,どうも指揮官は違う狙いをもって今節のパッケージを組んできたのではないか,と見ています。最終ラインで見ると,那須選手と槙野選手が外れて,永田選手と濱田選手が入っています。アタッキング・ミッドフィールド(アウトサイド)では,宇賀神選手や平川選手のクレジットに代わって,関根選手と関口選手がクレジットされています。そして,アタッキング・ミッドフィールド(インサイド)ですと,興梠選手がトップから下がる形でスターターに入り,トップの位置には李選手が入っています。


 この変更,守備ブロック方向から見ると「縦への意識」という部分で変化を感じましたし,攻撃ユニット方向で考えると「コンビネーション(あるいは,距離感の最適化)」という部分で変化を感じるものであったように思います。なかでも,攻撃ユニット方向での変化が大きいように感じています。


 今季,指揮官は柏木選手をアタッキング・ミッドフィールドからセントラルへとポジションを下げ,攻撃ユニットの構成を変更するという形を多く見せているのですが,この変更によって攻撃ユニットのコンビネーション,という部分で「足らざる要素」が見えてきていたようにも感じます。コンビネーションから相手守備ブロックに対してチャレンジを仕掛ける,と言うよりも,「個」の持っている特性によってチャレンジを仕掛けるという方向性に軸足を置いているパッケージになっていたように思うわけです。そのために,トップに入っている興梠選手に対して,その特性を引き出すようなボールがなかなか供給できていなかったように感じるのです。対して今節は,柏木選手のポジションを変えることなく,むしろ興梠選手のポジションを変える,というアプローチであります。このポジション変更によって,攻撃ユニットの機能性が高まったように感じます。コンビネーションから相手を崩す,そのための距離感を描き出せるようになった。この変化は,14型の浦和にとってかなりの大きな収穫ではないか,と感じます。


 加えて書くと,積極的なポジション・ブレイク,それもアウトサイドでのポジション・ブレイクではなく,センターでのポジション・ブレイクが見られたことが大きな収穫ではないか,と思います。決勝点を導いた大きな要素,でありますが,ここ数節の浦和ではなかなか描き出されていなかった要素ではないか,と思います。守備応対面を基盤に,浦和への戦い方を組み立てる相手に対して,どれだけ縦方向での変化を自分たちから仕掛けられるか。決勝点を導いた形を,どれだけチームとして「狙って」引き出していくことができるか。青木選手の積極的なポジション・ブレイクは,恐らくチームにとっての大きなヒントであるはずですし,このイメージを強めていくことが求められていくものと思います。