対清水戦(14−04)。

昨季の課題が,また出てきてしまった。


 先制点を奪われた局面を振り返ってみるに,そんな印象が残ります。けれど,指揮官はハーフタイムを挟んで,チームに的確な「刺激」を加えてきた。今季の浦和にとって,大きな意味を持つ刺激であるように感じます。


 相変わらずの遅筆堂で申し訳ありません,な清水戦であります。今回は,ちょっと短めで。


 外野から見る限り,「普段通りに」と意識し過ぎてしまって,むしろ普段通りではない,リズムを微妙に崩した状態で立ち上がってしまったような印象があります。普段通りに,という意識がどこかで必要以上の慎重さに結び付いてしまったかも知れません。対して今節の対戦相手は,明確に自分たちの戦い方を描いていたように思います。浦和がどのような戦い方を指向しているか,という部分をもとに自分たちの戦い方を組み立て,明確に描き出してきた。この段階で考えるならば,相手の術中に嵌り込み,なかなか抜け出すことができない状態へと陥りかけていたように感じます。


 ここで,指揮官は戦術交代という「刺激」を与えます。


 この試合を「勝ち点0」で終わるわけにはいかない。試合をイーブンな状態へと引き戻し,さらには追加点を奪って「勝ち点3」を積み上げる。そのために,攻撃的な姿勢を強める。そんな指揮官からのメッセージが,戦術交代(とパッケージの調整)にはあったように思うわけです。端的に書けば,両翼の機動性を強めて攻撃面での機能を高める,という方向へとパッケージを調整してきます。このパッケージ調整が,試合をイーブンへと引き戻す,そして「勝ち点1」を確保するにあたっての鍵となったように思います。


 「普段通り」とはかけ離れた中野田で,「普段通り」に戦う難しさ。


 いるべきひとたちはいないし,あるべきものもない。むしろ,いつもならばいないだろうひとたちが中野田のピッチ,あるいはプレスエリアにいる。そして,上空にも。いつもとは違う雰囲気を感じていて当然だし,いつも通りに,と意識し過ぎて,かえっていつもとは違う意識になっていたとしてもそれほどの不思議はありません。そんな難しい状況にあって,微妙にズレたチーム・バランスを取り戻した。後半のパッケージが有力なオプションになるだろうことを含めて,意味ある「勝ち点1」なのではないか,と思います。