対G大阪戦(14−01A)。

昨季,提示された課題をどのように克服するか。


 チームとしてどのような守備応対を表現していくか,その方向性は明確なものになっているな,と感じます。まだまだ煮詰めていくべき要素,バランスを突き詰めていくべき部分があるとしても,「勝ち点3」を奪取できたこと,加えてクリーンシートであったことはチームにとって小さくない足掛かりかな,と思います。アウェイ・マッチなG大阪戦について,感じるところを短めに書いていこう,と思います。


 今節の戦い方を振り返ってみるに,チームは守備応対を基準にした距離感を強く意識していたのかな,と思います。相手ボール・ホルダーに対するアプローチとカバーリング,この関係性が機能していたように感じますし,守備応対面での安定性を重視しているがために,攻撃面での距離感がちょっとだけ,最適から離れる部分があったかな,と思うわけです。視界,あるいは距離感で言えば,守備応対面を基準とする視界や距離感は強く意識付けられている,という印象です。であれば,トランジットの段階でどれだけスムーズに攻撃面での視界,あるいは距離感へと切り替えていくことができるか,が今季型の浦和にあって,大きな鍵になるのかな,と思います。


 さて。今季のトレーニング・キャンプでは,守備応対についての戦術練習も織り込まれた,と聞きます。確かに,昨季の戦い方からは「組織的な守備応対」を仕掛けるための枠組みはなかなか感じ取ることができませんでした。昨季は,ネガティブな意味で「個」が明確に感じられてしまう守備応対になってしまう,そんな局面が多かったように思うのです。


 たとえば,ボール・コントロールを失ったとして,相手ボールホルダーに対してどのようなアプローチを仕掛けていくか。チームとしての意思は確認されていたように聞き及んでいますが,プレッシングを仕掛けていくことと同時に,チームとしてどのようなカバーリングをしていくのか,その枠組みが明確ではなかったと思うわけです。そのために,プレッシングが嵌れば確かにトランジットの位置は高くなるのだけれど,プレッシングを外されてしまうとそのあとの守備応対で相手の後手を踏む,そんな局面に持ち込まれることになってしまったのも確かです。攻撃を仕掛けているタイミングでのチーム・バランスが強く意識付けられていて,ボール・コントロールを失った(ボールを奪われた)あとのチーム・バランス,という部分で明確なイメージが描ききれていなかったように思うのです。


 ボールを奪うためのチーム・バランス,その枠組みを意識付けることは,相手ボール・ホルダーに対するプレッシングを組織的な守備応対として機能させるための重要な要素であった,とも言えるでしょうか。この重要な要素を,今季はトレーニング・キャンプの段階で確認してきた。そして,実戦で一定程度の成果を得た,ということになるかな,と思うわけです。


 相手を自分たちの戦い方へと嵌め込み,離さないためには,相手の強みを的確に抑え込むことが求められるはずです。そのときに必要なのは,「相手からどのようにボール・コントロールを奪うか」という部分でしょう。まだまだ熟成の余地があるとは言え,今節は「ボール・コントロールの奪い方」の枠組みをピッチに表現して「勝ち点3」を奪ってみせた。いい立ち上がりではないかな,と思います。