C−01。

古典的な雰囲気と,現代的な雰囲気と。


 また,UK的な雰囲気,たとえばカフェが持っていた雰囲気を感じる部分もある反面で,US的な雰囲気,たとえばプロストック・マシンが持っている雰囲気を感じさせる要素もある。でも,開発拠点はドイツに置かれている,と。


 いささかロータスという名前に引っ張られているかな(好意的に見すぎている部分もあるかな),とは思いますが,それでもなかなかに魅力的なプロトタイプではないか,と思います。



 今回は,こちらの記事をもとに,ひさびさの(と書きましたが,エントリを上げることそのものがひさびさでございます。記録的な積雪以降,ビンボー暇ナシな状態が予定外な形でこの時期に重なりまして,エントリに手が回らない状態になっておりました。失礼を致しました。)モーターバイクな話を書いていこう,と思います。


 さて,ロータス・モーターサイクルズが手掛けた“C−01”,そのプロトタイプであります。


 このロータス・モーターサイクルズはノーフォークに本拠を構えている,わけではなくて,バイエルン州のグレーディングに本拠を構えていて,コデワ社とホルツァー社,カーデザイナーのダニエル・サイモンさんによるジョイントベンチャーだとのことです。で,このC−01を開発するにあたってどのような関係性があったのか,こちらの記事(英語)を斜め読みしてみると,基本的なデザインを担当したのはコデワ社(に在籍するコーリン・コレスさん)で,実際の車両開発を担当したのがホルツァー社とダニエルさん,ということのようであります。


 で,このジョイントベンチャーがなぜにロータスの名称を使っているのか,でありますが,コデワ社とグループ・ロータスとの関係性が作用しているものと思われます。コデワ社はAdess(アドバンスト・デザイン・エンジニアリング・システムズ・ソリューションズ)社とともにLMP2マシンであるT128の開発を担当,2013シーズンのWECでレース・オペレーションを担当したレース屋(であるとともに,技術屋集団)であります。この関係性があって,ロータスの名前が付いたバイクが発表された,ということではないか,と思うわけです。


 で,本題であるバイクの話でありますが,現代的な部分はカウリングの内側に多く落とし込まれているのではないかな,と思います。


 この記事を読みますと,フレームはスチールにチタン,そしてカーボンファイバーの混成である,とのことです。どのような形でフレームが組み上げられているのか,この記事に紹介されているオフィシャル・フォトからはなかなか推理するのも難しいものがありますが,最も興味深い部分であります。そして,このバイクに搭載されるのはVバンク75度の1200cc・Vツインエンジンだそうです。


 現段階で発表されているメカニカルな部分,そしてオフィシャル・フォトから受ける印象を考え合わせると,ロータスという名前とはちょっと違ってアメリカ的,たとえば初期のビューエルであったりハーレー,具体的にはちょっとV−ROD的な雰囲気を感じたりするのです。それでいて,シートカウルなどのデザインを見ると,やはりロータスという名前から感じられる,UK的な雰囲気を感じたりもします。


 ディテールをひとつひとつ見ていくと,たとえばフロントブレーキはラジアルマウントを採用していたり,エグゾーストも低い位置に配置されるなど,確かに現代的な設計が落とし込まれているだろうバイクです。けれど,表側から受ける全体的な印象は古典的,という印象でもあります。加えて,デザイン的な部分に強いこだわりを持って開発されただろうことも感じさせる,そんなプロトタイプであります。その意味で,かつてドゥカティがリリースしたMH900eと重なる部分があるようにも感じます。


 現段階では,車両価格についてのアナウンスメントはないようですが,100台の限定生産ということを考えると,決してお安くはないプライス・タグではないか,と想像します。どんなお値段で市販化されるのか,を含めて楽しみであります。