組み合わせ決定(第93回全国高校ラグビー)。

2回戦で訪れるか,それともそれ以降か。


 いずれにせよ,ノンシード勢にとって,シード校との対戦はひとつの壁です。この壁をスッと乗り越えていけるか,それともこの壁に跳ね返されてしまうか。そう考えると,初戦でしっかりと自分たちの戦い方を表現できるか,トーナメントを駆け抜けていくためのリズムを整えられるか,が問われてくるのかな,と思います。


 さて。今回は楕円球方面のお話,ちょっと遅めのエントリとなりますが,こちらのページ(高体連ラグビー専門部)をもとに,全国高校ラグビーのトーナメント・ドローについてちょっと書いてみよう,と思います。


 さて。まずは今季のシード校を整理してみると,

   桐蔭学園高校(神奈川県代表・Aシード)
   東海大学付属仰星高校大阪府第1代表・Aシード)
   大阪桐蔭高校大阪府第2代表・Aシード)
   
   秋田工業高校秋田県代表・Bシード)
   茗渓学園高校(茨城県代表・Bシード)
   流通経済大学付属柏高校(千葉県代表・Bシード)
   目黒学院高校(東京都第1代表・Bシード)
   日川高校山梨県代表・Bシード)
   大阪朝鮮高級学校大阪府第3代表・Bシード)
   報徳学園高校(兵庫県代表・Bシード)
   天理高校奈良県代表・Bシード)
   東福岡高校(福岡県代表・Bシード)
   長崎南山高校長崎県代表・Bシード)


となっています。このシード勢を見るに,今季も関西勢が優位に立っているかな,と思います。とは言え,Bシードには関東のチームも複数クレジットされていますし,トーナメント初戦の入り方によっては,流れを引き寄せてトーナメントを駆け上がっていくことも可能なのではないか,と期待しています。


 いますが,個人的にはやはり,54年ぶり2回目の全国となる浦和が,どこまで存在感を示すことができるか,が興味の中心です。そこで,彼らの初戦をチェックしてみますと,浦和は1回戦で光泉高校(滋賀県代表)との対戦が組まれています。この対戦で初戦を突破した,と仮定しますと(と言いますか,突破前提で考えますと),2回戦でBシードとの対戦,秋田工業高校の対戦が待っているわけです。


 そこで,1回戦の対戦相手,光泉高校がどのような形で近鉄花園への切符をつかんだか,と見てみるに,残念ながら滋賀県予選は参加チームが少ないようです。そのために,第1段階としてリーグ戦が組まれ,リーグ戦を勝ち抜いたチームを含める形で第2段階のトーナメントを戦う,という形になっているようです。その初戦,光泉は合同チーム(石山,玉川,滋賀学園彦根工)を119−5で退け,シード勢同士の対戦となった決勝戦では,八幡工を54−0で下しています。


 ファイナル・スコアを見る限り,勝ち上がるべきチームが順当に近鉄花園の切符を獲っている,と見ることができますが,個人的にはこの数字を必要以上に大きく見ることはないだろう,とも思っています。


 花園への切符をつかむことはどの地域予選であっても厳しいものがある,と思いますが,埼玉県はなかでも厳しいものがあるものと思っています。残念ながら,その厳しさが本戦に活かせない(埼玉県代表の存在感を,本戦で示せない)状態が続いてしまっているのですが,個人的には「やれる」チームが切符をつかんでいる,と思っています。普段通りに,自分たちのラグビーへと相手を引っ張り込むことができれば,決して恐れるべき相手ではない,と思っていますし,それは2回戦で対戦する(かも知れない)秋田工に対してもあてはまることだろう,と思っています。


 初戦突破,というレベルで本戦を捉えてはいなかったチームを真っ向勝負で退け,切符を奪ったのだから,彼らと同じ目標を持ったとしても,決して不相応なものではないはずです。むしろ,トーナメントを駆け抜けてほしい,と思っています。心から,期待しています。