浦和、近鉄花園へ(第93回全国高校ラグビー埼玉県予選)。

今季,戦い方を微調整してきたかな,と思っていました。


 今季に限らず,浦和の基本的な戦い方は,FWを中心にして組み立てられているように感じられます。そして,守備応対面も徹底されています。ボール・キャリアに対して低く鋭く,攻撃的な守備応対を繰り返すところから,攻撃のきっかけをつかむ,そんなラグビーを狙っているように思うのです。この基本的な戦い方を微調整して,BKを積極的に使う,という戦い方を今季は見せてもいたように思うのですが,決勝戦はそうではなかったように感じます。これまで浦和が培ってきた戦い方,自分たちのラグビー,と言いきれるもので勝負を挑みたい,という思いが感じられる,そんな決勝戦だったかな,と思います。


 試合をイーブンに引き戻されても浮き足立つことなく,自分たちの戦い方で再びリードを奪い,守備応対でも隙を見せることなく,攻撃的に守備応対を繰り返すことができていたように感じます。後半は,負傷などの影響でインジュリー・タイムが多めに取られるだろうことは想像できていましたが,相手はこのインジュリー・タイムを徹底的に使ってきました。自分たちからミスを誘発することもなく,徹底した攻撃圧力をかけてきました。この圧力に対して,浦和もしっかりとした守備応対を繰り返すことができていた。この時間帯の攻防は,近鉄花園への指定席切符を争うに相応しい,緊張感あるものだった,と思います。


 突き崩せない壁はない。


 いつか,突き崩せる。突き崩してみせる。


 そんな思いを持ち続けてきただろうチームが,ついにその思いを決勝戦の舞台で遂げてみせた。試合そのものについてはのちほど書いていこう,と思いますが,まずは決勝戦を戦った2チームに心からの敬意と,浦和には,54年ぶりの全国大会出場権,近鉄花園への切符奪取におめでとう,であります。