ブレイドグライダー。

たとえば,普段はリーフを使っているとして。


 週末,ガレージに収まっている「もうひとつのEV」で走ること「だけ」を純粋に楽しむ。航続距離が短い,というネガティブはあるかも知れないけれど,ただ目的地にまでひと思いに走るのではなくて,どこかに寄り道しながら,という楽しみ方ができる,かも知れない。


 というような提案が,やっと自動車メーカから見えてきた。EVでもスポーツできるし,クルマの楽しみがEVになるからといってなくなってしまうわけではない,というメッセージが見えてきた。このことが最も大きいかな,と思っています。



 今回はフットボールを離れまして,こちらの記事をもとに書いていこう,と思います。


 日産自動車のコンセプト・モデルである,“ブレイドグライダー”であります。


 独立したリア・フェンダーを持っているわけでもありませんし,シャークフィンが装着されているわけでもありません。LMPマシンをベースにしたモノコックだと,並列して2座席(実際には,技術規則上2座席が求められているだけですから,パッセンジャー・シートは使うとなると相当に小さくなるはずですが。)ですが,こちらはフロントに1座席,リア・セクションに2座席というレイアウトになっていますから,必然的にモノコック形状も違います。


 違いますが,タイアのレイアウトなどを見ると,やはりデルタウィングの血統で考えたくなるクルマです。実際,この記事にもありますがデルタウィング,その後継であるZEOD RCの開発を担当しているスタッフがこのクルマの開発にもかかわっているようです。


 この記事では,市販化も視野,とのことですが,であるならばもっと,「軽さ」を感じさせるデザインへと進化してほしい,と思っています。確かにデルタウィングはそのフォルムに特徴がありますが,軽量なマシンであることも大きな特徴であったはずです。市販化を意識したクルマだと,どうしても対衝突安全性などの要請から重量が重くなってくる,とは思います。けれど,デザイン処理の部分で「軽さ」を演出することもできるはずです。このコンセプトを見る限り,リア・セクションの視覚的な重さが気になります。また,もっとシンプルな造形を求めたい,とも思います。コンセプト特有のデザイン処理も施されているでしょうが,そんなデザイン処理を外し,さらにシンプルなデザインにしてみてもいいのでは,と思うのです。


 マシン性能にかかわる部分については未発表,とのことですが,もっと「市販型」に近付いたクルマを期待したいところです。