第９３回全国高校ラグビー埼玉県予選（準決勝展望）。

やはり，楽しみなのは昌平です。

　Ａシードである伊奈総合を相手に，速さと鋭さを強く感じさせる戦いを見せ，準決勝へと駒を進めてみせた。もちろんＢシード校ですから，決して驚くべき結果ではない，と思いますが，深谷とも，浦和とも違う個性を明確に感じさせるチームが，準決勝へと勝ち上がってきたことは，純粋に楽しみだったりするわけです。

　準々決勝が手つかず状態になっておりますが（申し訳ありません。準決勝とセットする形で書いていこう，と思っております。），高校ラグビー埼玉県予選，その準決勝のお話を書いていこう，と思います。

　さて。準決勝のカードは

　　　　川越工対浦和（Ａグラウンド・１２：００）
　　　　深谷対昌平（Ａグラウンド・１３：３０）

となっております。

　まず，第１試合の浦和ですが，ちょっとばかり戦い方を変えてきたかな，と感じます。これまでの浦和はＦＷを軸に戦い方を組み立ててきているように思うのですが，今季の浦和はそのバランスをＢＫにも傾けてきているように受け取れます。ロースコアな展開には持ち込めるものの，最終的な部分で決勝戦を制することができていない。その壁を打ち破るための方法論として，ＢＫを軸とする攻撃，という方法論を付け加えてきた。ある意味，意図的にいままでのバランスを崩しているとも言えるわけですが，ここまでしっかりと結果を残してきています。このまま，再び決勝戦へと駒を進めることができるかどうか。そんな部分を注目しています。

　続いて，第２試合ですが，やはりマクラでも書いたように昌平がどんな戦い方を深谷に対して見せてくれるか，注目してみたいと思います。今季の埼玉県予選を見る限りでも，深谷の戦い方は安定しています。守備応対の安定感は際立っているし，相手のミス，隙を見逃すことなく攻撃を仕掛けていくことができています。であれば，昌平の鋭さがどこまで深谷を突けるだろうか，という部分が楽しみなのです。準々決勝の戦いぶりを見る限り，「戦う姿勢」という部分で昌平は伊奈総合の先手を取っているように感じられました。深谷に対して，同じように先手を打てるかどうか。先手を取って，深谷にちょっとした違和感を与えることができるならば，隙を作り出すことができてくるだろう，と思うわけです。そこに鋭さをぶつけることができれば，突破口が見えてくるのではないか，と。

　もちろん，チームとしての経験値などを考えるならば，深谷と浦和が決勝戦への最短距離にいる，と見るのがフェアかも知れません。しかし，トーナメントは何があるか，分からないのも確かです。昨季のカードをどこかで期待しつつ，そんな図式を崩すチームが出てきてほしい，と思ってもいます。