大会形式よりもポスト・シーズン。

はっきりと書けば,フェアネスよりもおカネだったと。


 恐らく,相当数のパートナーから来季契約について減額提示を受けていたり,今季をもって契約満了,という意向を示されたりしたのでしょう。2012シーズンから2013シーズンにかけても,パートナー契約がスムーズに進んでいないのではないか,と思わせる雰囲気がありましたし。


 減額提示を受けたり,契約満了を打診される,その要因は何なのか。この要因を精査することなく,単純にフローが少なくなってしまうことについて「のみ」危機感を感じ,フローを確保するための方策を考えないといけない,となった。ポスト・シーズンを導入しようとする,その動機そのものに問題点がある,と個人的には考えています。


 こちらの記事をもとに書いていこう,と思います。


 リーグ戦優勝クラブは年間勝ち点で決めないのに,降格クラブは年間勝ち点で決める。この時点でフェアネスが担保されているとは到底言えないのですが,ポスト・シーズンが導入されることによる「技術的な」問題点が複数指摘される,という側面から見ても,フェアネスが担保されているとは言えません。たとえば,年間勝ち点によって降格が決まる,という物理的な制約があるとしても,セカンド・ステージにウェイトを置いたチーム・ビルディングを考えるクラブは複数出てくるはずです。実際,かつて2ステージ制が導入されていた時期,完全優勝(ファースト,セカンド双方での優勝)を狙うというよりも,セカンド・ステージを制した流れをチャンピオンシップに持ち込もう,とするクラブが多かったように記憶しています。また,この記事が指摘するようにポストシーズンへの出場資格が重なって下位を繰り上げる場合に,3位以下のチームが意図的に負けて上位チームを重複させることで出場権を得ようとする,そんな事態も当然に考えられることです。


 そこで,シングルシーズンは維持しながら,ポストシーズンを導入する方向性を考えるとか。


 ポストシーズンを導入することで,地上波レベルでの露出度を高める,と。地上波レベルでの露出度アップが重要であることは納得,なのですが,そのためにそもそもJは何をしてきたか,が大きな問題で,パートナー契約が不安定になっている,その大きな要因もここにあるのではないか,と私は見ています。スカパー!さんには失礼ながら,スカパー!さんだけが中継を担当している試合では,タッチライン沿いにLEDディスプレイが設置されることはない,と記憶しています。どんなに注目度が高い(と,Jを追い掛けているひとたちならば認識するだろう)試合であろうとも,です。スカパー!さんのパイでは,残念ながらパートナー各社が具体的なメリットを感じられるだけのメディア訴求度が確保できていない,ということだろうと思うのです。加えて,競技場内のプロモーション活動も,クラブ独自のパートナーさんとのバッティングなどがあって100%なプロモーションができる環境にはありません。これで,パートナー契約の維持ができるのか,と。


 権益保護について徹底した姿勢もないし,メディア戦略にしてもかなり早い段階で欧州的な路線に踏み出してしまって,結果としてパートナー各社にメディア訴求度が低い,という評価を受けてしまう。問題の本質はトーナメントの魅力,だけにあるのではなくて,Jがパートナーのメリットを最優先に考えた行動ができていなかった(できていない)という部分にこそ求められるのではないか,と思うのです。