今季初勝利(対抗戦A)。

どう申し上げましょう,的な立ち上がりの2試合でした。


 レバタラを書けば,立ち上がり直後のペナルティをゴールへと結び付け,先手を取れれば,ということになりましょうが,開幕節(対明治大学戦)は見事に抑え込まれた(逆に言えば,相手の攻撃を抑え込めなかった),という印象であります。第2節(対帝京大学戦)は,トライを奪われた直後の時間帯にリズムを崩し,連続してトライを奪われる,という形に陥っています。開幕戦での課題を,時間帯限定的であるにせよクリアしたのかな,と思える部分がある反面で,守備応対面での課題が今季のチームでは結構大きなものになっているような,そんな印象だったわけです。


 であれば,どの段階で今季初勝利となるのかな,と思っていたのは確かです。ともすれば,なかなか今季初勝利を奪うことができないのではないか,初勝利をマークできないままにシーズンが進んでしまうのではないか,と懸念していたのも確かです。それだけに,こちらの記事にもあるように,青山学院が慶應義塾相手に16年ぶりの勝利を,というのは大きな驚きでありました。今回も,楕円球方面のフットボールな話を書いていこう,と思います。


 さて。公式記録(関東ラグビー協会)を参考に試合を振り返ってみるに。


 立ち上がりの時間帯,慶應義塾にPGによって先手を取られたのは確かですが,このビハインドを早い段階で解消できたこと,がひとつめの鍵だったかな,と思います。また,慶應義塾が再びPGを決めて得点差を詰めてくると,直後の時間帯にトライを奪い,得点差を再び広げる,という展開へと持ち込めていたことが,ふたつめの鍵になっているように感じます。


 前半終了段階までで見れば,確かにペースをつかんでいます。いますが,やはり,どこかで怖さを感じる展開でもあります。「抜ける時間帯」が気になるわけです。また,第2節でも見えているように,失点直後の時間帯に守備が崩される傾向が気にもなります。


 この試合では,前後半を通じて,第2節のように失点直後に守備応対が不安定さを見せて,連続失点を喫する,という形を抑え込むことができていました。この記事が書くように,守備応対面がしっかりと機能したこと,単純に相手の攻撃を抑え込む,というだけでなく,攻撃面へとつなげていく守備応対が機能したことが最後の鍵,と言いますか,今季初勝利を導いた最も大きな要素だと思います。


 とは言いながら,まだ初勝利を挙げただけでありまして。


 早稲田大学筑波大学,という難しい相手との対戦は残っていますし,現状においてなかなかリズムをつかみきれていない日本体育大学成蹊大学との対戦もあります。ひとつでも上の位置,上位と下位が明確に分かれる傾向がある対抗戦Aにあって,上位勢へと割って入る,そんな姿勢を見せるためにも,ここからの戦いが重要であるはずです。ここからを楽しみにしたい,と思いますし,であれば,第2節までの課題,第3節での収穫をしっかりとチームに落とし込んでさらなる進化を,と思うところです。