対湘南戦(13−27A)。

「勝ち点3」を積み上げることが重要なのは当然ですが。


 どういう戦い方で,自分たちが勝ち点を奪おうとしてきたか,勝ち点を奪おうとすべきかのか,という「原点」がちょっとばかり曖昧になってきてはいないかな,と感じます。自分たちはどんなフットボールでこのリーグ戦を戦おうとしてきたか,ビハインドを負ったあとの時間帯に思い出せたのだとすれば,今節の「勝ち点1(と言いますか,コントロールしきれなかった勝ち点2,といいますか。)」は意味ある勝ち点になるのではないかな,と思います。


 アウェイ・マッチな湘南戦であります。


 戦術的な部分での課題もあるでしょうが,ここ数節は心理的な部分での課題も大きいかな,と感じます。まずは,戦術的な課題から見ていきますと。


 相手を自分たちのフットボールに嵌める,という前段階が浦和のフットボールには重要なのだけれど,今季はなかなか相手を嵌めきれない形になっています。攻撃リズムを強める,そのきっかけになるパスが,結果としてチャレンジ・パスになってしまう,そんな形が多いように思います。自分たちの形になりきっていないタイミング,とも言えるかも知れませんが,そんなタイミングでも攻撃リズムを上げてしまう局面があるように思うのです。


 チームとしての約束事が重要なのは当然ですが,無理に「形(攻撃面での約束事)」に持ち込んでいる時間帯も感じられます。相手を嵌め込みきれていないなら,「形」に持ち込まない,たとえば相手を崩すためのワンクッションを挟んでから再び形に戻す,という判断があってもいいと感じます。約束事を機能させるための約束破り,が表現できるといいかな,と思います。


 もうひとつ。心理面の話であります。


 シャーレを意識できる位置にいるのだから,意識するなというのは難しい話です。その高みへと近付いていくためには,勝ち点を着実に積み上げていくことが求められるのも当然ですから,そのために戦い方が慎重なものになるのも仕方ない,かも知れません。


 知れませんが,です。


 手堅く,という意識が自然と強まり「過ぎる」のかな,と感じています。もともと,浦和は攻撃的に,という戦い方を指向しているはずです。守備応対面を基準とする戦術を描いているわけではありません。それだけに,守備応対面での意識が強まってしまうと,全体のバランスが崩れてしまうように思うのです。守備面での安定性そのものは大事なのだけれど,安定性を維持するためにも,攻撃面への意識付けが重要になってくるはずです。自分たちの軸足はどこに置かれているのか,という原点を再確認することが,コンディションを取り戻すためのきっかけなのかな,と見ています。