J1リーグ大会方式の変更について。

書きたくとも書けない,そんな部分も多いのかも知れないけれど。


 それでも,決定事項についてのクラブの姿勢,未決事項についてどのようにクラブとしての提案をしていくのかなど,ある程度の方向性を示してくれているように思います。今回は,タイトルにも掲げましたが浦和からのリリースをもとに,ちょっと書いていこう,と思います。


 このリリースで,踏み込んで書いてくれたな,と思うのは

 浦和レッズは、これに加えてこれまで主張してきた「注目試合の平日開催の回避、J1とJ2の曜日固定開催の見直し、地元放送局の中継規制の緩和」等の実現を目指して行きます。


との部分,特に地元放送局の中継規制の緩和,という部分です。


 すでに浦和を追い掛けている,中野田に何回も足を運んでいるというひとならば,地元放送局の中継規制の緩和,という部分はそれほど直接的な影響を持つ部分ではない,かも知れません。むしろ,アウェイ・マッチをしっかりとカバーしてくれるスカパー!が放映権を持っている,そのメリットを感じておられるかも知れません。けれど,たとえば埼玉県に住んでいて,浦和というクラブはどんなフットボールをしているのだろう,と興味を持ってくれたひとが,すぐに中野田へと足を運んだり,スカパー!へと踏み込んでくれるでしょうか。チケットを買おう,とする前にまずはTV,最も身近な地元局で見られるものなら見てみたい,と思うひとも少なからずおられるのではないか,と思っています。


 そのときに,地元放送局が十分な試合数を中継できる,そんな体制になっているでしょうか。


 代表戦とは違うけれど,あるいは海外のフットボールとも違うけれど,なかなかに魅力的なフットボールをJもしているのではないか。そんな思いを持ってもらえるような試合は,なかなか放映権がオープンになっていない,というのが実情ではないでしょうか。スカパー!としてもビジネスですから,注目度が高い試合を地元中継局にオープンにするとは考えにくいものがあります。でも,注目度が高い試合ほど,興味を持ってくれているひとを競技場へと誘う,そのきっかけになる試合になり得る可能性があるのも確かです。スカパー!としては,Jの商品価値を評価して放映権を獲得しているのでしょうし,貢献度は確かに高いものがある,とも思っています。いますが,Jに興味を持ってくれるかも知れないひとに対して玄関の敷居を高くするという副次効果を生んでいるようにも思うのです。その意味で,このリリースが言う,地元放送局の中継規制の緩和は小さくない意味がある,と思うのです。


 さらに書けば,フットボールという競技の魅力は生中継でなければ体感できない,というものでもないだろう,と思っています。古くからここにお越しの方ですと,“MoTD”というフレーズを書いていたことをご記憶の方もおられるか,と思います。BBC1で放送されているダイジェスト番組,“マッチ・オブ・ザ・デイ”であります。土曜日の夜,開催された試合から1試合を取り出して,複数のコメンテーターがさまざまな見方をしながら試合を分析する,という番組です。短い時間であってもフットボールの魅力,フットボールの見方を教えてくれる番組でありますが,こういう存在が欠けてしまっています。浦和の担当者の方には是非とも,日本版MoTDの実現(スカパー!ではなくて,より多くのひとの目に触れる形で。)も強く働き掛けていただきたい,と思っています。


 すでに競技場へと足を運び,特定のクラブを追い掛けているひとを大事にしなければいけないのは当然として,これから足を運んでくれるかも知れないひと,特定のクラブをマイ・クラブとしてくれるかも知れないひとをひとりでも増やそうというのであれば,競技規則の変更以外にも,すべきことが多くあるように私には思えます。