負けの重み。

メディア訴求度の話だとか,放映権料だとか。


 ならばなぜ,CSへと軸足を移す前にメディア訴求度という側面から放映権料を設定しなかったのか,と。自分たちで誤った判断をしておいて,誤った判断を修正するため(誤った判断によって危機的な状況に陥っているとするならば,その危機から何とかして脱するため)に,2ステージ制へと戻るというのであれば,あまりにあまりな話です。


 と,マネージメント方向でも言いたいことはありますが。


 フットボールの話なのだから,フットボールの話を。


 「負けの重み」を軽くするようなレギュレーションにはしてもらいたくないものです。


 たとえば,「勝ち点1」を確保することができずに,勝ち点を積み上げられない試合が出てくるとします。このときに失った「勝ち点1」が,年間順位を大きく左右する1になる,その可能性があるのがシングル・シーズン制だろう,と思います。この勝ち点1の重みは優勝を争うクラブにも,逆に降格を何とかして回避しようとするクラブにも平等にのしかかってくる重みのはずです。


 この,「負けの重み」を果たして,2シーズン制は維持できるでしょうか。


 リーグが立ち上がった当初,まだリーグを戦うクラブが10クラブだけで,ひとつのシーズンでホーム・アンド・アウェイが成立するならば,まだ負けの重みは確保される,かも知れません。けれど,現状のクラブ数で単純にシーズンを2分割するだけならば,ホーム・アンド・アウェイの原則は崩されるし,優勝を狙えるだけのポテンシャルを持ったクラブならば,負けの重みは圧倒的に軽くなるはずです。ファースト・ステージで優勝を飾ったクラブにとっては,セカンド・ステージでの負けは意味を持たないはず(優勝決定戦への進出を決めているわけですから,セカンド・ステージの成績がどんなに悪くとも年間順位が2位以上となることが決まっている)ですし,セカンド・ステージを重視するクラブにとっては,ファースト・ステージは「調整」程度の意味にしかならないでしょう。


 この矛盾を解決できる,2ステージ制を提案できるのか。「負けの重み」を意図的に軽くすることのないレギュレーションを,Jは提案できるのか。個人的に注目するのは,この部分です。