対柏戦(13−13A)。

強みを磨くか,短所を潰すか。


 2試合続けての6−2,その6に着目するか,それとも2を問題視するか,であります。狙うフットボールを考えるならば,6というクレジットを表示できるようになったことは大きな収穫です。反面で,難しい試合であっても「勝ち点3」を引き寄せていく,そのためには守備的な安定性が必要です。その意味で,守備応対面での課題はしっかりと潰しておく必要がある,と見ることもできるはずです。


 国立霞ヶ丘での柏戦,であります。思うところをちょっとだけ書いておこう,と思います。


 さて。自分たちが描き出そうとするフットボールへと相手を嵌め込むために,相手が狙うフットボール,その強みと弱みを的確に理解し,強みとなる部分を効果的に潰すと同時に,弱みを突いてリズムを引き寄せる,というアプローチが機能しているな,と感じます。


 同時に,守備応対面でも少なからず変化があるな,と感じています。


 ちょっとした仮定論ですが。今季にあっても昨季のような攻撃を狙っていたとすれば,恐らく守備応対面での問題はもっと大きなものになっていた,かも知れません。


 昨季はどちらかと言えば,ボールを奪いに行く地域が低めに設定されていたような印象を持ちます。低く構えた守備ブロックに,相手が引っ掛かってくるように追い込んでいく,というような守備応対イメージではなかったかな,と思うのです。そのために,昨季はリズムを相手に掌握されると,相手に押し込まれて守備ブロックが潰れてしまう,というネガティブも抱えていたように思います。対して今季は,守備応対がボールを奪いに行く,という方向性へと変化しているように感じます。ラインも昨季と比較すれば高めの位置を取っていますし,ファースト・ディフェンスの仕掛け方も変化しています。高い位置からのファースト・ディフェンスであっても,相手を追い込むだけではない守備応対へと変化していますから,ボールを奪う位置が高くなっている。


 であれば,このファースト・ディフェンスが仕掛けられないと,チームとしての守備応対が不安定なものになるな,と感じるところがあります。たとえば,高い位置からのファースト・ディフェンスが「抜けて」しまうと,高めに位置している守備ブロックが,相手を待ち構えるのではなくて,追い掛ける形での守備応対になってしまう。この形に限らず,前節を含めてチームの守備応対で「抜ける」時間帯があるのは確かに気になります。


 狙うフットボールが,しっかりと数字に反映されるようになってきている。間違いなく,大きな手応えではないかな,と思います。であれば,攻撃的な姿勢を抑え込む必要性はまったくない,と思います。むしろ,「抜ける」時間帯をどう最低限に抑え込むか,が課題になってきているのかな,と感じます。チームとして潰すべき要素がある,というよりも,チーム戦術を個人レベルでどう表現するか,攻撃面で個性をチームへと嵌め込む,その前提条件として,どのような守備意識が必要なのか,という部分で,(ゲーム・インテリジェンスと機動力,その両方で)もう一段高いものが必要になってきているように感じます。