ユナイテッド次期監督にはモイーズさん。

BBCが見事に抜いた,ということですね。


 ユナイテッドの内側か,それともグディソン・パークの内側かは別として,BBCは相当信頼できる情報源を持っている,ということでしょう。複数のお名前が出ていた段階で,後任を名指しするのみならず,発表の時期も決め打ちしていましたからね。


 さて。今回もユナイテッドのお話を,BBCではなくてガーディアンの記事(英語)をもとに書いておこう,と思います。


 さてさて。ガーディアン紙の記事を読むと,ディビッド・モイーズさんとの契約期間は6年間,ファースト・チームへの合流は7月1日から,とのことです。


 サー・アレックスと比較すると,いささか短いように感じられるかも知れませんが,グディソン・パークで10年間指揮を執ってきた,という部分を見るならば,安定して長期政権を築けるに足る戦術的な引き出し,チームをしっかりと束ねるための規律,メンタル・マネージメントなどがしっかりしている,とユナイテッドが判断したとしても,それほどの不思議はないでしょう。


 確か,プレミアシップを戦うクラブにあって長期政権を築いている(た,と近く書き直すべきかも知れませんが。)監督,その筆頭がサー・アレックスなのは当然として,モイーズさんは3番目だったはずです。サー・アレックスは,戦術的な部分よりも規律面が強く印象に残る監督さんですが,かなりの研究熱心であることも伝わってきています。オフィスには誰よりも早く足を運び,さまざまな情報を収集している。当然,戦術的なものも入っているはずです。外野から見ると,手堅い戦い方を狙ってきているように思える指揮官ですが,その戦術的な引き出しを常にアップデートするための努力は惜しまなかった,ということでしょう。恐らく,この姿勢はアーセンにも当てはまることでしょうし,サー・アレックスが見ていたらしいユーゴのフットボール(この話については,千田さんのブログを読んでみてくださいませ。),そのフットボールをつくっていたイビツァさんにも当然,当てはまることでしょう。


 そして,恐らくモイーズさんもイビツァさんやサー・アレックスと同じ,ではないでしょうか。


 この記事によると,ファーガソンさんは以前からモイーズさんに興味を持っていたようです。この記事には,ファーガソンさんのコメントが書かれていて,そのコメントによると,1998年の段階でモイーズさんをアシスタント・マネジャーとしてユナイテッドに,という交渉をするべくアプローチをしていたらしいのです。後任にはモイーズさんを,という推薦がファーガソンさんからあった,という話はすでに伝わっていましたが,その背景には,長い期間モイーズさんの仕事ぶりを見ていた,という事実があったようです。


 オールド・トラフォード競技場には,グディソン・パーク競技場とは違ったプレッシャーがあるでしょうし,であればユナイテッドでの仕事がチャレンジングであることは言うまでもないでしょう。でも,高い能力を持つファースト・チームを率いることができる,というのも確かですから,より「らしさ」を表現することができる,その条件が整ったとも言えるでしょう。ちょっとばかり気の早い話,ですが,どれだけ早い段階でモイーズさんらしい姿が見えてくるか,が注目ポイントかな,と思っています。