対ムアントン・ユナイテッド戦(2013・GroupF#6)。

再び,この舞台に戻るために。


 この試合での「勝ち点3」は,セカンド・ラウンドへの切符を意味するものではなかったけれど,来季またアジアという舞台に戻る,そのためのひとつ目の足掛かりとしてこの勝ち点3を使っていってほしい,と思っています。


 グループリーグ最終戦,であります。今回は試合内容を離れて,ちょっとだけ思うところを書いておこう,と思います。


 この最終戦で求められていたことは,ある意味明確でした。「勝ち点3」の確保,であります。他力の要素を引き寄せる前提条件が,最終戦での勝ち点3だったわけです。セカンド・ラウンドへの切符を奪うためにすべきこと,が明確になっているから,戦い方の微調整,その方向性も明確なものとなっていたように感じるのです。この微調整(あるいは,自分たちの戦い方とゲーム・マネージメントとの両立),という要素が,時期に遅れたとは言いながら,ピッチに表現できたことは小さくない収穫になるかな,と思います。


 昨季は,戦力的な部分から「現実的な微調整」をあらかじめ掛けた状態で戦っていた,と見ることもできるでしょうし,今季は調整幅をより小さく,自分たちの戦い方へと相手をより積極的に引き込む戦い方を指向している,と見ることもできるでしょう。その戦い方が,アジアという舞台でも一定程度,機能したと見るのは決してアンフェアではない,と思いますし,グループリーグで積み上げた勝ち点が10,というのはミシャさんも指摘するように,決してネガティブな結果ではない,とも思っています。いますが,自分たちの戦い方を表現する,その精度が上がってきているからこそ,対戦相手は浦和の戦い方,強みとする部分を徹底して潰しにくる,とも言えるはずです。なかなか自分たちの戦い方へと相手を嵌め込めない,むしろ,相手が狙う戦い方に嵌り込みかねないときに,どういう戦い方を用意しておくべきか。


 リーグ戦にあっても提示された課題かな,と思いますし,ACLでは90分という枠組み,あるいはグループリーグという枠組みの中で提示された課題かな,と思うのです。この課題をクリアするためのヒントは,まだまだ戦術的な部分では初期段階,だった昨季の戦い方のなかにあるのではないか,と感じるところがあるのです。


 昨季は,「これしかできない」という戦い方,不承不承な戦い方だったかも知れません。でも今季は,「これもできる」という戦い方になるはずです。重要なのは,相手の強み,と言いますか狙いをしっかりと抑え込み,自分たちの戦い方へと嵌め込んでいくこと,であって,最終的にゴールネットを揺らすこと,です。そのための道筋への確信が深まったことは収穫として,ゲーム・マネージメントなどの部分で,ぜひともこのグループリーグでの課題を生かしてほしい,と思います。


 今季の悔しさを来季,同じ舞台で晴らすために。