対新潟戦(13−04A)。

らしさを抑え込まれても,「勝ち点3」を奪えること。


 長いシーズンを戦い抜くには,必要な要素だろう,と思います。


 らしさを表現できていても,勝ち点を奪えない。そんな試合もシーズンにあっては出てくる,かも知れません(当然,最低限に抑え込むべき形ではありますが。)。そのときに,らしさが表現しきれなくても,勝ち点3を奪えた試合というのは大きな意味を持ってくるように思うのです。第4節終了時点,ですから,この段階でのスタンディングにはそれほど大きな意味があるとは思っていません。第・・・節終了時,で表示される数字が増えてきて,残り試合の数字が限りなく小さくなってきたときに,今節の「勝ち点3」が意味を持ってくるのではないか,と思うわけです。


 ですけれど,らしさを抑え込まれるには原因があって,その原因にはチームがクリアすべき課題がある,はずです。


 アウェイ・マッチな新潟戦であります。


 さて。自分たちの戦い方に相手を引き込む,という意味で見れば,先制点を奪ったあとの時間帯が鍵だったかな,と思います。相手の戦い方であったり,ピッチ・コンディションなどを意識して,自分たちの戦い方を微調整する形で試合に入る,という判断は当然でしょう。立ち上がりの時間帯,相手の戦い方を冷静に観察,慎重に試合を動かしながら先制点奪取のチャンスを狙う。セットピースからの先制点奪取,という部分を含め,プラン通りに試合を動かせていたのではないか,と思うのです。


 思いますが,です。


 ビハインドを背負った相手に対して,試合の動かし方が(結果的に,と見るべきかな,とは思いますが)慎重なままだったように受け取れますし,そのためにリズムを自分たちに引き寄せる,というきっかけを失ってしまったのではないか,と感じます。チームのギアを,相手の戦い方を見極めるべく,試合を慎重に動かすためのギアから,相手の心理を逆手に取りながら圧力を高めるためのギアへと切り替える,そのタイミングだったかな,と思うのですが,立ち上がりの時間帯のギアと,それほど大きく変わらなかった。むしろ,相手がリズムを強めてきた(それだけ,エリアによっては相手の戦い方の熟成度は高かった)ようにも映ります。そのために,相手の戦い方に嵌め込まれた,といいますか,相手の攻撃に対して受け身の時間帯をつくる形になってしまったように思うわけです。


 自分たちの戦い方へと相手を引き込むためには,自分たちの形でボールを奪えないといけない。守備応対で自分たちの戦い方が表現できないと,なかなか攻撃面でもらしさは表現できない,ということだろう,と思います。


 試合の動かし方に課題が残るとは言え,「勝ち点3」を奪取できたことは大きな意味があります。こういう戦い方ができる,というのはチームにとっては大きな要素です。ですけれど,「勝ち点3」という結果を引き寄せたことで,自分たちの戦い方を表現できなかった,という部分を過小評価すべきではない,とも思います。らしさを抑え込まれた要因を確認しておく必要性がありますし,らしさを抑え込まれる,という事態そのものを最低限に抑え込んでいかないといけない。ファースト・チームに「勝負強さ」という要素が見えていることは収穫であるとして,今節見えた課題をしっかりと意識しておくべきかな,と思います。