2013シーズン的キットのこと。

2009シーズンのようであり,2005(2008)シーズンのようであり。


 そんな印象であります。例年,オフ・シーズンはユニフォームな話を扱っておりますが,今季も浦和からのリリースをもとに,2013シーズン仕様のユニフォームの話を書いていこう,と思います。


 さて。まずはファースト・キットから話をはじめます。


 アクセント・カラーを配さずにレッドだけの印象で勝負する,というのは2009シーズン的,対して,シンプルなラウンド・ネックというデザイン処理をファースト・キットに施してきた,という意味で見るならば2005シーズン(あるいは2008シーズン)的かな,と思います。リリースを読むと,ダイヤモンドがグラデーション製法で大胆に表現されている,とのことですが,リリースに掲載されているオフィシャル・フォトを眺める限り,光線の当たり方によってはシンプル過ぎるほどにシンプルな,赤を訴求するデザインを採用しているように感じます。


 また,純然たるラウンド・ネックを採用してきた,という意味で見るならば,ユナイテッドのデザインを必要最低限モディファイしたような印象の2005シーズン,あるいは2008シーズンに採用されていたデザインに近いものがあるかな,と思います。ただ,このときはネック回りにアクセント・カラーである黒を配色していました。昨季までの3シーズン,浦和としてはひさびさに純然たるカラー(とは言え,浦和が長くこだわりを持ってきたポロ・カラーとはちょっと違うかな,と思いますが)を採用してきたことを思えば,再びナイキさんの意向が強く反映されたのかな,と感じるところは確かにあります。けれど,今季の赤だけのカラー・スキームを見ると,リーグ戦仕様よりもACL仕様のキットに落ち着きを感じたりします。


 続いて,セカンド・キットとサード・キットであります。


 やっぱりボーダーか,とちょっと思いました。19日に決勝戦が順延された高校選手権,この選手権をナイキさんのキットで戦っていたチームを思い起こしてみるに,ボーダーの採用率が高かった。このセカンド・キットは,高校チームのキットほどにはボーダーが明確ではないけれど,やはりナイキの意向が強く出ているな,と感じます。とは言え,浦和の歴史にも配慮しているな,と思うのは,カラー・スキームでしょうか。2003シーズンのアウェイ・キット,あのカラー・スキームですね。であるならば,個人的にはスタンド・カラーを追加して,そのスタンド・カラーにブラックを配色するなど,より歴史に配慮したデザインを採用してくれると,と思ってしまうところです。


 サード・キットでありますが・・・,いまのところはちょっと・・・,ですね。


 たとえばイングランドのクラブだと,ときどき驚くようなカラー・スキームを採用したアウェイ・キットが出てきたりしますが,その驚くようなキットがサード・キットだった,という感じでしょうか。ただ,その驚きを倍加させるようなボーダーであったり,幾何学的なジャカードが施されていたり,などということがないだけまだいいのかな,と思ったりもします。


 と,いろいろと書いてきましたが,例年同じ結論を持ってきますと。


 ユニフォームの印象を最終的に決定付けるのは,リーグ戦の順位であり,カップ戦の戦績ではないかな,と思います。シーズン・インの段階で,好感をもって受け入れられるデザインではないとしても,チームの強さが,その印象を変えていくことがある,と思うのです。キットそのものの印象,ではなくて,そのキットを戦闘服とするファースト・チームが強さを見せることとセットで,最終的なこのキットの印象は評価すべきだろう,と思います。