欧州遠征メンバー発表。
テストマッチとして組まれているのは,ルーマニア戦にグルジア戦。
現実的な射程とすべきチームとの距離を正確に測る,という意図が透けて見えるようなマッチメイクであります。もちろん,中長期的にはティア1(たとえばスプリングボクスであったり,ワラビーズであったり。)を射程に収めていく(彼らと互角に近い勝負を挑めるようになる)必要性があるわけですが,短期的には同じティア2に入っているチームとの対戦で,しっかりと試合をものにすることが求められるかな,と思うわけです。
と考えると,エディさんは今回の欧州遠征を,「真剣勝負」として位置付けているのではないかな,と。ということで今回はフットボール,ではありますが楕円球方面のフットボールな話を,JRFUからのリリースをもとに書いていこう,と思います。
さて,今回のメンバーを抜き出してみますと。
FW:平島 久照(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)
長江 有祐(リコー・ブラックラムズ)
青木 佑輔(サントリー・サンゴリアス)
堀江 翔太(パナソニック・ワイルドナイツ)
畠山 健介(サントリー・サンゴリアス)
山下 裕史(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)
浅原 拓真(東芝ブレイブルーパス)
大野 均 (東芝ブレイブルーパス)
伊藤 鐘史(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)
北川 俊澄(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)
マイケル・ブロードハースト(リコー・ブラックラムズ)
ヘンドリック・ ツイ(パナソニック・ワイルドナイツ)
マイケル・ リーチ (東芝ブレイブルーパス)
橋本 大輝(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)
菊谷 崇 (トヨタ自動車ヴェルブリッツ)
ホラニ 龍コリニアシ(パナソニック・ワイルドナイツ)
BK:田中 史朗(パナソニック・ワイルドナイツ)
日和佐 篤(サントリー・サンゴリアス)
小野 晃征(サントリー・サンゴリアス)
立川 理道(クボタ・スピアーズ)
今村 雄太(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)
山田 章仁(パナソニック・ワイルドナイツ)
仙波 智裕(東芝ブレイブルーパス)
田村 優 (NECグリーンロケッツ)
有賀 剛 (サントリー・サンゴリアス)
林 泰基 (パナソニック・ワイルドナイツ)
小野澤 宏時(サントリー・サンゴリアス)
廣瀬 俊朗(東芝ブレイブルーパス)
五郎丸 歩(ヤマハ発動機ジュビロ)
田邉 淳 (パナソニック・ワイルドナイツ)
であります。毎日さんの記事にもありますように,このスコッドではワイルドナイツからセレクトされる選手が最多,続いて昨季のリーグ・チャンプであるサンゴリアスの選手が多く選出されています。エディさんがどのようなラグビーを指向しているか,という部分は昨季のサンゴリアスをみれば一目瞭然,でありますし,エディさんの意図する部分を皮膚感覚ですでに理解しているサンゴリアスの選手が軸になるのは当然であります。となると,ワイルドナイツの選手が最多,という意味はどうなのだろう,とちょっと思ったりします。ワイルドナイツを好意的に見ている立場からすれば,ひとりひとりの選手が持っているパフォーマンスであったり,ポテンシャルがエディさんに評価されている,とも見ることができるのですから,うれしくもあるのですが,反面で今季のワイルドナイツはポテンシャルをまだまだ引き出しきれていない,ということを示されているようでもあって(と考えるのは,対サンゴリアス戦で途中までは互角の勝負を展開するも,最終的にはサンゴリアスの攻撃と厳しい守備応対に屈した,という部分があるから,でもあるのですが。),心中複雑なところもあったりします。
しかし。山田選手の選出は,心中複雑な要素が0%であります。山田選手は代表選出にあたって,
チームメイト、サポーター、周りのみんなに『ありがとう』と一日でも早く伝えたいです。うれしく思うのと同時に、戦う責任をいただけたことに感謝したいです。応援してくださったみなさんに背中を押してもらって、ここまでラグビーができています。これからはそんなみなさんの背中を押せるような、みなさんを引っ張っていけるようなプレーをしていきたいです。代表のフィールドで、ソニー ビルと試合をして、勝利するのが目標です。
とのコメントをしてくれていますが,「みなさんを引っ張っていけるようなプレー」はやはり,鋭く縦に仕掛けていく姿勢でありましょう。今季,トライゲッターとしての存在感を強めてきている山田選手,彼の持ち味はやはり,縦への速さであり鋭さでしょうから,そんな部分をエディさん,そしてチームに強く印象付けてほしい,と思っています。