対カマタマーレ讃岐戦(3回戦)。

最優先項目は,勝ち上がること。


 であれば,最優先の要素はクリアしている,とは言えるわけです。ですけれど,2回戦(だけでなく,リーグ戦もですが。)から引き継がれてしまっている課題が見えているな,とも感じます。いつも通りに,のカマタマーレ戦であります。


 さて。課題なのはやはり,前半の戦い方でありましょう。


 どう好意的に見ても,前半の主導権は対戦相手である讃岐サイドが掌握している,そんな時間帯が相当に長かったように思います。結果的にはスコアレスで折り返すことができたけれど,決して望ましい45分間ではなかったのも確かでしょう。


 まず,心理面で後手を踏んだ部分もあったかな,と感じます。浦和としては,相手の出方を見ながら慎重に立ち上がろう,という意図もあったのかな,と思うのですが,相手は浦和の出方を見る,のではなくて,積極的に高い位置からプレッシャーを掛け与える戦い方を押し出してきました。浦和としてもスカウティングをしているはずですが,そのスカウティングとはちょっと違う戦い方を仕掛けられたのか,コメンタリーでも指摘されていましたが,違和感を感じながら立ち上がることになったかな,と。その違和感も,主導権を相手に掌握される,ひとつの要因だったか,と思います。


 もうひとつの要因は,チームの戦い方にかかわってくること,です。


 ごく大ざっぱに言えば,ボールを引き出すための動きが前半はあまりに少なかったかな,と思うのです。フォーメーションで相手を崩しにかかる,という意味では,ちょっとアメリカン・フットボール的な要素が今季の浦和にはあるかな,と思うのですが,端的に書けば,ボールを引き出す前の動きが不足してしまっています。止まった状態でボールを受けようとしている,ように見えてしまう。相手守備ブロックからすれば,マークに付きやすい状態が長く継続する,そんな形になっているな,と思うのです。誰かを背負っている時間帯が長いし,マークを剥がせていないからボールをいい形で受けることが難しい。にもかかわらず,スペースでボールを受ける,という意識はなかなか高まっていかなかったな,と感じます。


 スペースを徹底的に潰しにきた相手に対して,そのイメージに正直に合わせ過ぎていたように感じるのです。


 ひとつには,積極的に高い位置からプレッシャーを掛けてくる,そのプレッシャーをどのようにして回避しながらビルドアップの初期段階を安定させるか,が課題であり,もうひとつ,アタッキング・ミッドフィールドとトップに対して厳しくマークが付いたケースで,そのマークを剥がして攻撃を仕掛けるためのスペースを奪うには,どのような戦術イメージが求められるのか,そのイメージを固めることであったり,そのための機動力を高めることもまた,課題であるように思います。


 コンディション面で厳しさを増してくる時期なのは間違いなく,チームとしてのコンディションも100%からは離れはじめている,ようにも感じます。ならば,指揮官が就任当初から要求しているインテリジェンスもコンディションに引っ張られている,かも知れません。そんな時期だからこそ,フレッシュな戦力が主力を突き上げてほしい,と思うし,主力もこれまでとは違う要素を上乗せしていく,そのための踏ん張りが必要な時期かな,と感じます。