タイミング。

ヴォルフスブルクはあくまでも,ファースト・ステップ。


 そう見ていたし,期待もしていたのですが,実際にはセカンド・ステップが,なかなか見えてこなかった。


 個人的には,かなり早い段階でステップアップを模索できたはずだし,実際にステップアップを狙うチャンスだってあった,と思うのです。それだけに,どこかタイミングを失ってしまったのではないかな,という印象が強く残ってしまいます。


 今回は,共同さん配信の短い記事(スポーツナビ)をもとに,長谷部選手のことを短めに。


 思えば,開幕前から難しい立場には置かれていたわけです。そんな状況にあって,移籍を模索する動きもあったようですが,結果的には残留,という形になった。しかし,難しい立場,つまりは今季を戦うにあたって必要な戦力として計算されていない,という位置付けに大きな変化があったわけではなく,フェリックス・マガトは相変わらず戦力外として位置付けている,と。


 この状況がパフォーマンスに影を落としている,という印象は確かにあります。しっかりとしたトレーニングを経て実戦を戦い,実戦で見えてきた課題をトレーニングでクリアして次の実戦に臨む,という循環が失われているのですから,コンディションを整えるだけでもなかなか難しいものがあるだろう,と推察します。それだけに,新たな主戦場への移籍がシーズン開幕前にまとまってくれていたら,という思いもあるのですが,同時に「もっと早い段階」でヴォルフスブルクでのチャプターを終えてよかったのではないか,という思い,アウトサイドのタラレバではありますが,もったいないという思いがどうしても出てきてしまうのです。


 このもったいない,という思い,かつても感じたものです。


 フェイエノールトロッテルダムを新たな主戦場として浦和を飛び立ったフットボーラーに,です。このときもどこか,ステップアップのタイミングを失ってしまったような印象がありました。エールディビジはあくまでも主要リーグへのジャンプアップ,そのためのステップボードであって,UEFAを獲ったタイミングは絶好,であったように思っていたのです。でも,なかなか新たなステップが見えてこなかった。このときと同じような思いを持ってしまうのです。