つかみ、つかませること。

戦術的な約束事をつかみ,チームの個性をつかむ。


 と同時に,自分の個性をチームにつかませる。


 チームが機能するための要素ではないかな,と思うのですが,浦和駒場でのゲームではこの要素,ちょっと不足しているかも知れないな,と感じるところがありました。そんな視点で書いていこう,と思います。


 残暑,と言うよりも真夏の昼下がり,と表現したい時間帯でのゲームでしたから,全体として「重さ」を感じる部分は確かにありました。と同時に,違う要素もピッチから感じられたように思います。


 躊躇であったり,戸惑いであったり。


 自分の強みと,チームとして表現すべき要素とのバランスをつかみきれていないままのような,そんな印象を持つわけです。戦術的な約束事に対する意識と自分が持っている強み、主力とは違う個性が自然にかみ合っているようには感じられませんでした。どこかで考えながら,という印象が付きまとっていたように思えますし,その考えている時間が,リズムのズレになってチームのリズムに悪影響を与えてしまったように思うのです。チームをスムーズに動かせていない,という意識が,さらにパフォーマンスに悪影響を与えていく。自分の強みをチームにつかませるどころか,消極的な姿勢が強まっていく。悪循環,だったように感じます。同時に,チームがその持っている強みを理解し,強みを生かす形でボールを動かせていたようにも感じられなかった。使い使われる,がしっかりと機能する段階ではないように感じられたのです。


 実戦で使われていないのだから,かみ合わないのは不思議なことではないし,使われないのは戦術理解度であったりに問題があるから。そういう見方もできるのかも知れませんが,シーズンが深まってきたこの段階にあっても,戦術的な約束事をつかむこと,そして自分の強みをチームにつかませること,という部分は決して軽視できる要素ではない,と思っています。


 リーグ戦終盤,チームが「総力戦」を戦わざるを得なくなったときに,チームが失速を喫するのか,それとも加速態勢を取れるのか。その鍵を握るのが,主力ではないフットボーラーではないかな,と見ています。