第92回全国高校ラグビー埼玉県予選(組み合わせ)。

県北勢への「挑戦」,という時期は過ぎたでしょう。


 近鉄花園への1枚だけの切符,その切符への道筋が描かれるべき時期,だと思います。そして,本戦への切符を獲得するために,どうしても乗り越えていかなくてはいけない壁が県北勢であり,乗り越えていく,という意識を強く持ってほしいな,と思います。そして本戦,特にシードとの対戦が始まる段階をどう乗り越えていくのか,という部分まで意識しながらトーナメントを戦っていってほしい,と思うし,そのための壁は何が何でも突き崩していく,という姿勢を見てみたい,と思うわけです。


 そんな姿勢を県南勢に対して求めると同時に,この姿勢を真正面から跳ね返していく,本戦での戦い方を考えるならば相手に実力差を痛感させるような戦い方を県北勢には求めたいな,と思います。


 予選段階で熾烈な争いが展開されることが,本戦での存在感につながる。そんな状態を期待したいわけです。今回は,タイトルにも掲げましたが,近鉄花園への指定席切符(今季も1枚だけが用意されております。)を争うトーナメントについて,こちらのページ(高体連ラグビー専門部)をもとに書いていこう,と思います。


 さて。まずは2回戦までのトーナメント・ドローを見てみます。


 Aシードへの挑戦権をどのチームが獲得するか,という位置付けになるか,と思いますが,今季は川口勢に注目してみたいな,と思います。かつてAシード校であった熊谷工,そして進修館(かつての行田工)とともに,川口と川口北がBシード校となっているのです。彼らがどのような戦い方を見せてくれるか,が楽しみですし,ノンシード勢ですと伊奈学園と早大本庄がどこまで上がってきてくれるか,が楽しみです。


 そして3回戦,であります。


 ここから本格的な近鉄花園への戦いが始まる,という見方もできるでしょうか。ノンシード,そしてBシード勢にとっては大きなチェックポイントでしょうし,Aグラウンドで戦うことができるかどうか(アップセットを見せることができるかどうか),が決まる段階でもあります。そんな彼らにとっての大きな壁が,3回戦からトーナメントを戦うAシード勢であります。そんなAシード校を見てみますと,(記憶が正しければ)昨季のAシード校が,そのまま今季もAシード校として指定されています。(大ざっぱな表現で申し訳ありませんが)県南勢として慶應志木と浦和,そして県北勢が正智深谷深谷,であります。


 かつては県南勢(と言いますか,県北の強豪校以外)がどこまでトーナメントで存在感を高めていけるか,という視点で予選を見ていたのですが,ここ数季はいよいよ,指定席切符を奪取するところまで行き着けるか,という段階に差し掛かっているかな,と思うところです。ただ同時に,分厚い壁に突き当たった,という意識もどこかにあるかな,と思います。その意識を振り払えるだけの「らしさ」を磨き上げているか,も当然問われるのでしょうが,部分的には何かをさらに上積みする必要性,あるいは何かを付け足す必要性を感じているかも知れません。もともと築き上げてきた「らしさ」に何をプラスアルファして,らしさをスケールアップしているのか,見てみたいと思います。


 同時に,県北勢には彼らの挑戦を跳ね返す「強さ」を求めたい,と思います。厳しい言い方をすれば,正智深谷深谷は,県予選段階だけを意識していていいチームだとは思っていません。本戦で勝ち上がっていくために何をすべきか,早い段階から詰めていくべきチームだと思っていますし,それだけの潜在能力は持っているはずだ,と思っています。対戦相手を早い時間帯から自分たちの枠に引き込み,その枠から逃がさない,そんな凄味を予選段階から表現してほしい,と思いますし,切符確保という目標だけではない,その先も見据えた戦い方を,と思います。


 いずれにしても。県予選が熾烈さを増せば,本戦での存在感が強まることになる,と思うだけに,ラグビーフットボールという競技の魅力を感じさせる戦いを,と期待しています。