アールズコートからオリンピック回顧。

フットボール・フリークにとっては,「通過駅」感覚ではないでしょうか。


 スタンフォード・ブリッジ競技場へ向かうための,であります。と同時に,テニス好きのひとにとっては,オールイングランド・クラブ(正確に書けばもうちょっと単語を付け加える必要があるのですが,要はウィンブルドンですね。)へ向かうための通過駅,でもありましょうか。


 8月に入った途端に,不思議と忙しくなってしまっております。そのために,フットボール方面はすっかりキャッチアップできない状態になってしまっておりまして。ですので,余裕の持てる状態に戻ったら本格的にフットボール方面のエントリを戻していこう,と考えております。ということで今回は,まだちょっとオリンピック方面の話を徒然に,と思っています。


 さて。アールズコートであります。


 比較的リーズナブルなB&Bが多くあるエリアでもありますが,「展示場」がある地区でもあります。かつて,モータショーも開催されていたことがある,アールズコート・エキシビション・センタであります。展示場としては,かなり以前に第1線を退いた,という位置付けのようで,モーターショーについては数年前まではバーミンガムが開催地,その後,今回のオリンピックでは格闘技関係種目のベニューとなっていたエクセルが開催地となっています。そんなアールズコート,バレーボールの主会場でありました。


 団体競技,しかも女子選手が戦う団体競技,という意味では,やはりフットボール方面への期待度が高く,バレーボールへの期待(この期待を裏側から見ればプレッシャー,ということにもなりましょうが。)はちょっとだけ分散されたかな,とも感じます。そんな効果があってか,ファースト・ラウンドでの戦い方は決して悪くなかったと思いますし,セカンド・ラウンド(トーナメント戦)に入ってからもかなりいいリズムで戦っていた,と感じました。それだけに,銀メダル以上を確定させる試合での戦いぶりは,ちょっとばかり不安を感じさせるものであったのも確か,でした。対戦相手にリズムを掌握されると,そのリズムをなかなか引き寄せるきっかけをつかめないままに,0−3という結果になってしまった。


 この試合から,いい切り替えができたのかな,とも感じます。


 準決勝段階では抑え込まれてしまった自分たちの戦い方をしっかりと取り戻し,相手に自分たちの戦い方へと持ち込む,そのきっかけを与えることがなかった。メダル,という意味でいうならば,長く止まっていた時計を再び動かすことになる,そんなファイナル・スコアだったわけです。


 バレーボールに限らず,ロンドンでは長く止まっていた時計が再び動き出す,そんな競技が複数あったように思います。ゴールドの獲得数が少なくなった,という視点で見ることもできるかも知れませんが,反面でメダルを獲得した競技,その幅が大きく広がった,という視点で見ることもできるように思います。かつてメダルを量産してきた競技,その競技が今回なかなかメダルに届かなかったことに対しては,さまざまな見方ができるか,と思いますし,視点の切り替えも必要になってくるかな,と思います。反面で,いままでメダルに届かなかった競技については,今回のメダル獲得はある種のジャンピング・ボードになってくれるのではないかな,と思っています。


 いずれにしても。「祭りのあと」というのはどこか,寂しさを感じるものだな,と思ったりします。