対モロッコ戦(グループD第2戦)。

望み得る,最大の勝ち点で第2戦を終了,と。


 しかしながら,初戦とは違った難しさが,第2戦にはあったかな,と思います。ごくごく短めに,モロッコ戦であります。


 単純に書いてしまえば,ボールを奪うエリアをなかなか自分たちの攻撃に合わせる形に持っていけなかったような印象があるのです。


 初戦の対戦相手であるスペインは,低いエリアからしっかりとビルドアップしていく,という意識を持っていました。相手ゴールからより近い位置でトランジションを,という戦術意図からすれば,ある意味で自分たちの戦術意図に嵌め込みやすい(ハイプレスを仕掛け続けても,チームとしての機動性低下を最小限に抑え込める気候条件だったことが,大事な前提条件ですけども。)対戦相手ではあったのです。しかし,第2戦のモロッコは,スペインとは違った攻撃スタイルを持っています。当然,ボール奪取を狙うエリアをスペインと同じエリアにセットすることは難しくなります。しっかりとした守備応対から縦に鋭く,という基本的なアイディアは変わらないとしても,自分たちの攻撃を表現しやすい局面には,ちょっと持ち込みにくい攻撃スタイルを相手は持っていたかな,と思うのです。


 それでも,守備応対面で決定的な破綻を生じることなく,ワンチャンスをものにすることができた。


 まずは,ひとつの関門であるグループリーグ突破が決まりました。ここまでの戦い方を見る限り,いまのチームは守備面を絶対的な基盤に置きながら,攻撃面では縦へのシンプルさを強く意識付けているようです。この武器が,確かにいまの流れを作り出した大きな要素ではあるのですが,やはり攻撃面ではもっと「変化」が見たい,と思っています。トランジションからのリズムに,もっと落差を見せる,そんな形も見てみたい。結果は最優先にすべき要素ではあるけれど,その結果を引き出すためのオプション,できるはずのオプションは見てみたい,と思うのです。