対C大阪戦(12−16A)。

確保しかけた,と言うにはちょっとばかり不安定だった「勝ち点3」。


 結果として残る「勝ち点1」には変わりはないものの,飛田給でのアウェイ・マッチとは明確に違う,ゲーム・マネージメントのまずさを感じさせる,そんなゲームだったように思います。相変わらず遅筆堂,のアウェイ・マッチなC大阪戦であります。でありますので,短めの方向で。


 先制点を奪うまでの時間帯は,リズムを引き寄せることができていたように思います。そして,先制点を奪ったあとの時間帯が,今節の鍵になったように感じるのです。ポジショニング・バランスと言いますか,距離感が狙うフットボールを仕掛けるための最適解から外れていったように思うのです。高めにポジションを,という意識が一方にあって,反面で守備応対面からの必要性で,低めのポジショニングを取らざるを得ない,という意識が働いていたように感じられます。


 ビハインドを負った相手は,その後手を早い時間帯で精算すべく仕掛けてくる。


 実際に攻撃的な姿勢を強めてきたのであれば,狙うフットボールへと相手を追い込んでいく,そのきっかけをつかみやすくなる,とも見ることができるはずです。ではあるのですが,そのときに距離感の悪化,という要素が自分たちからリズムを奪う,大きな要因になってしまったように感じるのです。ボールを奪う位置であり,守備応対から攻撃へとトランジットしていく位置を,相手の出方に応じて柔軟に上下動させる,という部分で不明確な部分をつくってしまったように感じますし,まだこのチームは構築途上なのだ,ということを(決して望ましいことではないのですが)再確認したように思うのです。


 今季,浦和はどのようなフットボールをピッチに描くべきか。


 その基礎段階は,確かに浸透してきているのかな,と思います。そして,対戦相手がその基礎段階としっかりとかみ合うフットボールを展開してくるならば,その表現度は相当程度に高まりもする,と感じます。しかしながら,対戦相手とのちょっとしたミスマッチが発生すると,自分たちのフットボールへと相手を引き込む,その表現度が低下してしまうようにも感じますし,ピッチで微調整をかける,という状態にはまだ持ち込めてもいない。相手に合わせて,という意味ではなくて,相手の出方に応じて,自分たちのフットボールへと相手を引き込む,その引き込み方を変化させていく,そのオプションを広げていくべき時期だな,と感じます。


 と同時に。難しい時期に差し掛かりつつあるかな,という印象も同時に持ちます。


 ある意味,時間を置いたから書けること,でもあるのですが,今季は何度目かの「再構築」,あるいは「基礎工事」,その途上にあるわけです。そんな状態でありながら,リーグ・スタンディングでは決して悪くないポジションにあります。このポジションを維持,そしてさらに上のポジションを奪いに行くのであれば,戦力的な部分で何らかのアクションを,という見方があっても不思議はありません。むしろ,仕掛けてもいいと思います。と同時に,狙うフットボール,そのイメージを曖昧にするような形でのアクションは避けなくてはならない,とも感じています。単純に,決定力を持ったフットボーラーを獲得すればいい,という話にはならないだろう,と思うのです。ミシャさんが狙うフットボール,そのフットボールを煮詰めるために必要な戦力的要素が何なのか(その裏返しとして,戦術的にミスマッチを起こしているフットボーラーに対する評価も当然になくてはいけないと思いますが。),チームとの緊密な連携が大前提での機動的なアクションが求められるかな,と思うのです。