AsLMSにJAF−GTの可能性。

面白いかも知れない,とは思うのですが。


 LMPクラスに自社製作のシャシーを持ち込んでほしい,というのも確かですね。エンジン・サプライヤーとしての側面には敬意を払いつつも,やはり日産には90年代初期の「忘れ物」を取りに行ってほしい,と思いますし,同じくエンジン・サプライヤーとしてスポーツカー・レーシングに再びコミットしていくことを表明したマツダには,レシプロ・エンジンを搭載したグループC(よくマシンを眺めてみると,実質的にはTWRジャガーなんですけどね。)以来断絶してしまっている,ファクトリー体制のスポーツカー・レーシングを再び見たい,という思いがあるわけです。


 と,大枠では違う期待もありながら,それでも面白いかも,なんて思います。今回はフットボールを離れまして,こちらの記事をもとに,モータースポーツな話であります。


 フランス西部自動車クラブ,ACOは2013年から全5戦で戦われるアジアン・ル・マン・シリーズ(AsLMS)を立ち上げる,とのことであります。LMS,でありますから,LMP2車両が参加するのは当然として,参加可能車両としてJAF−GT車両がクレジットされている,というのが今回のキモ,であります。


 JAF−GTは,GTとしての側面とシルエット・フォーミュラとしての側面を合わせ持っています。GT500クラスは,実質的なスポーツ・プロトタイプとしての側面が強く,であるならばFIA−GTと同じ,というよりもむしろ,LMP2であったりLMP1との共通性を考えるべきカテゴリかな,とは思いますが,GT300クラスは現状においてもFIA−GT3勢と勝負していますから,確かに可能性があるな,と。さらに楽しみなのは,このAsLMSが“シャシーコンストラクター”としてコミットしていく,そのステップになるかも知れないということです。GTAの坂東さんによれば,マザー・シャシーの供給も含めて考えているようです。たとえば,AsLMSへの参戦を検討しているメーカがあるとして,GT3規定に合致する車両がない,とします。そのときに,GTAが供給するマザー・シャシーの存在は大きなものになるのではないかな,と思うのです。エンジンを用意できれば,FRレイアウトを採用するか,それともMRか,は別として,オリジナルのGTマシンを持ち込むことが可能になるわけです。このマシン製作を日本のコンストラクターが担当することになるならば,ローラやザイテックのような活動が可能になる,とも見ることができるわけです。


 自動車メーカが前面に立って,というよりも,レース屋さんがローラやザイテックへと近付いていく,そのきっかけになるかも知れない,という意味で,ACOからのリリースを読んでみると,なかなか興味深いのではないかな,と思っています。