対G大阪戦(12−14A)。

狙うフットボールとは程遠かった,とは思うけれど。


 今節獲得した「勝ち点3」,その重さが変わるわけではありません。むしろ,浦和のフットボールを煮詰めていくにあたっては,大きな意味がある+3ではないかな,と思ったりします。ということで,遅筆堂もいいところ,のアウェイ・マッチなG大阪戦であります。時期に遅れたおしておりますので,ごく短めに。


 ごく大ざっぱに試合を振り返れば。


 立ち上がりの時間帯は,典型的な「勝ち点0」の流れにあったかな,と思います。真正面から相手の戦い方を受ける,というよりも,自分たちが狙う戦い方を表現しきれなかったがために,結果として相手の戦い方に乗せられてしまった,という印象がありますし,相手に先制点を奪われた局面にしても,今季課題となっているリスタートからの守備応対,という部分がクリアできていないことを示してしまっていました。


 それでも,22分という時間帯に試合をイーブンに引き戻せたこと,そして悪い流れなりに1−1の状態を維持してハーフタイムを迎えられたことは,今節の鍵,そのひとつだったように思います。そしてもうひとつの鍵は,試合終了を意識すべき時間帯にあっても,縦への姿勢を失うことがなかったウィングと,そのウィングをしっかりと使うパスを繰り出したアタッキング・ミッドフィールドではないかな,と思います。自分たちのリズムではないとしても,自分たちが仕掛けられる局面を見逃すことなく,数少ないチャンスを引き寄せられた,という部分は今節における,数少ない収穫だろう,と思います。


 チームとしてのパフォーマンスが,100%から程遠かった試合。


 残念ながら,そんな印象が残っています。試合後のコメントからは,距離感に問題を抱えていたことが受け取れますが,戦術的な要素,技術的な要素が試合を動かす,という部分に大きな影響を及ぼしてしまっていたように感じられます。飛田給でのアウェイ・マッチが,狙うフットボールの100%に限りなく近いパフォーマンスであるとして,最も遠い距離になってしまった,その大きな要因が距離感の不適切さ,だと感じていたようです。


 それでも,「勝ち点3」を確保したことに今節の意味がある,と思っています。


 まだまだ浦和が狙うフットボールを煮詰め,戦術理解度を一定程度以上の水準にまで引き上げるには時間がかかるはずです。そのときに,ベストに近いパフォーマンスをピッチに表現することができていながら,「勝ち点」という結果を伴うことができない,という事態もあり得る話です。失ってしまうかも知れない勝ち点を,自分たちのリズムで戦えていない,らしくない試合であらかじめ確保した,と見ることもできるように思うのです。


 立ち上がりの時間帯から,相手の戦い方を抑え込むと同時に自分たちのフットボールへと相手を引き込むために,何が必要で,今節は何が欠けてしまったのか,にはじまり,今節は「課題」が多く見えたゲームであります。そして,まだまだリスタートからの守備応対には緩さが残っています。浦和のフットボールを煮詰めていくにあたって,決して小さくないヒントが複数ある,とも言えるはずです。立ち上がりの時間帯だけで言うならば,「勝ち点3」を引き換えにしたレッスン,だったかも知れない試合が,勝ち点3という数字を伴っているのだから,このレッスン,大事にしていってほしい,と思います。