対オーストラリア戦(アジア最終予選・アウェイ)。

「勝ち点6」を確保しているからこそ,の「勝ち点1」。


 個人的には,欧州的なアウェイの戦い方でも大きな問題はない,と試合前に見ていました。相手の試合消化数は1試合少ないものの,ホーム初戦ですから「勝ち点3」を奪うことでリーグ戦を戦うリズムをつかみたい,と考えているはず。であるならば,相手にリズムをつかませないことも大きな要素になるだろう,と思っていたわけです。当然,相手の勝ち点を0に追い込めれば理想的ですが,勝ち点2を奪う,という意識でもいいかな,と見ていたのです。


 それだけに,(結果ベースの話ではありますが)勝ち点1を持ち帰ることができたのは悪くない結果だな,と思っているわけです。いつも通りに,のオーストラリア戦であります。


 相手から勝ち点を奪う,という視点で試合を振り返ってみると。


 前半は,なかなか相手から勝ち点を奪う,という見方が難しい状態が続いたな,と感じます。相手はごく立ち上がりの時間帯から,ミドルレンジ〜ロングレンジのパスを使ってシンプルな攻撃を仕掛けてきます。守備ブロックがコンパクトな状態を維持しようとしても,ロングレンジ・パスでコンパクトさをなかなか保つことができなくて,どうしても相手ボール・ホルダーを追い掛けるような形の守備応対に追い込まれる。なかなか,相手のリズムから抜け出すことのできない時間帯が続いたわけですが,そんな時間帯にあってGKが踏み止まってくれたことが,この試合での大きな鍵になってくれたように思うのです。相手のリズムで試合を動かされてしまって,心理的な部分で厳しい状態に追い込まれかねない状況で,チームに安定性をもたらすようなセービングを見せてくれたことが,無失点で試合を折り返すことのできた大きな要因になった,と思うわけです。


 そして,もうひとつの大きな要因でありますが。


 CKをしっかりと先制点へと結び付けることができたこと,であります。ここで,相手がアドバンテージを持っている「高さ」を使うのではなくて,ショート・コーナーから「足下」を果敢に狙ったことが,大きな意味を持ったように思うのです。シンプルに縦を狙う,相手のリズムで動かされていた試合を,自分たちの持っている強みで動かせる局面がセットピースであって,相手のマークの外し方などを含めて,「らしさ」をしっかりと表現できた局面ではなかったかな,と思います。


 最後に,ネガティブな意味での大きな鍵が,この試合でのレフェリングでありましょう。


 端的に言って,ゲーム・マネージメントがあまりに難しいレフェリングだったな,と思います。当然,前半の段階で守備ブロックがイエローを受けているわけですから,より慎重なマネージメントが必要な試合になることはピッチでも,そしてダッグアウトでも見えていたか,とは思うのですが,反面で「判断基準」がこのレフェリーから見えていたか,と言うとそれもまた難しいところがあります。ズレているなりに一貫している基準であるならば(と言いながら,これはこれで問題ですが),まだチームとして対処しやすいと思うのですが,レフェリングが大きくブレるから,なかなかどう対処すべきかが見えない。そのために,相手がショートハンドに陥ってもなかなか積極的に策を仕掛けられなかったのではないかな,と感じるところもあるのです。


 環境面であったり,戦術面であったり。あるいはレフェリングであったり。


 厳しさであり,難しさを実感させられるのが最終予選のリーグ戦,特にアウェイ・マッチではないかな,と思いますし,3戦目にしてやっと,予選らしさを感じた,というのも確かなこと,です。