対ヨルダン戦(アジア最終予選・短信)。

最も理想的なスタートダッシュ,であります。


 リーグ戦は,自力の要素と他力の要素が関わり合うところが魅力であって,でも怖さでもあるのですが,その自力の部分だけを取り出せば,立ち上がりの2試合で最大の勝ち点を奪い,得失点差でも大きなアドバンテージを築いているわけです。アウェイ・マッチでの戦い方に,大きな幅を持たせることができている,ということを考えても,理想的であります。


 遅筆堂なヨルダン戦であります。ですので,短めに。


 さて。立ち上がりの時間帯から積極的にリズムを奪いにいっていること,先制点を奪取できていることまでは予選初戦と同じ,であります。しかしながら,ここからが大きくオマーン戦とは違っています。


 初戦での課題は,先制点を奪ったあとの時間帯だったかな,と見ています。確かにリズムを掌握しているようには受け取れたのですが,最終的なフィニッシュが欠けた状態での時間帯が長くなってしまいました。流れを引き寄せている時間帯に,得点差を広げられるかどうかが第2戦で問われていたのかな,と思うわけです。この点,チームはしっかりと課題をクリアしてきたな,と感じます。


 この試合,相手の戦い方が中途半端だったようにも感じています。


 端的に書いてしまえば,ゲーム・プランが曖昧なままに試合を動かしてしまったのではないか,と感じるのです。リズムを積極的に奪いにいく,勝ち点3を奪いに行くような戦い方,であるとも見えなかったし,かと言って欧州的なアウェイ・マッチの戦い方を強く意識付けているようにも感じられませんでした。ボールを奪う,相手からリズムを奪うようなボールの奪い方を意識付けているのか,それとも相手を網に掛けるような守備応対を仕掛けるべく意識をまとめているのか,そのどちらとも言えないような戦い方であったように見えるのです。そのために,立ち上がりの時間帯から「受ける」形に嵌り込み,その形から抜けられなかった,というように感じています。


 この中途半端さを見逃すことなく,自分たちが流れを引き寄せている時間帯にしっかりとフィニッシュに持ち込むことができた,というのがこの試合での鍵ではないかな,と思うのです。


 この鍵を,アウェイ・マッチとなる第3戦でもしっかり活かしてほしい,と思います。オーストラリアは2戦までの相手とはちょっと違う,欧州的な要素も合わせ持つ相手でありますが,早い時間帯に自分たちのリズムへと相手を引き込み,自分たちのフットボールで試合を動かせる時間帯にしっかりとフィニッシュへと持ち込む,そんな戦い方が同じくできるならば,決して難しい戦いにはならないのではないかな,と(期待値込み,ですけども)見ています。