指定席はまずロサンジェルスに(NHL 2012Playoffs・#3)。

ここでは,よく「カップ戦を駆け抜ける」なんて書きますが。


 まさしく,駆け抜けているな,と感じるチームですね。


 今回は,フットボールを離れましてアイスホッケーな話を書いていこう,と思います。今回注目するのは,スタンレーカップへの指定席切符をすでに確保した,ロサンジェルス・キングスであります。


 正直なところを書くと,ここまでの躍進は驚きでした。ただ,その気配はポスト・シーズンが始まった段階で漂い始めていたのかも知れない,とも思います。第1ラウンドに位置付けられるカンファレンス・クウォーターファイナルズでの対戦相手は,プレジデント・トロフィーを奪取しているヴァンクーバー・カナックス。かなり難しい相手がポスト・シーズンの第1ラウンドから出てきていたはずなのです。しかしながら,キングスの戦いぶりはそんな意識を覆すに十分なものでした。第1戦から第3戦までを見事にコントロール,第4戦こそカナックスに反撃を許すものの,第5戦でセミファイナルズ進出を決める。


 第2ラウンドとなる,カンファレンス・セミファイナルズでの対戦相手は,セントルイス・ブルース。このラウンドでも,キングスは見事なまでの戦いぶりを示してきます。ブルースに1ゲームも与えることなく,カンファレンス・ファイナルへの指定席切符を奪ってみせたわけです。


 そして,カンファレンス・ファイナルではフェニックス・コヨーテスを相手に4−1というゲーム・スコアでスタンレーカップへの切符を奪取することになるわけです。


 ここまで短期決戦を戦い抜いてきているキングスですから,守備応対を徹底的に意識して,と思いがちです。けれど,ここまでのファイナル・スコアを振り返ってみると,決して守備的なだけの印象ではありません。ロースコアの接戦をものにしている,という要素は当然見逃せるものではありませんが,攻撃力をしっかりと表現してゲームをものにしていることもある,という部分がポスト・シーズンでの戦い方,そのバランス感を示しているように感じるのです。


 「普段通り」の戦い方,では恐らくないでしょう。ポスト・シーズンという,別物のトーナメントでどう先手を取り,主導権を譲り渡さずに終わるか,を強く意識付けているのだろう,と思うし,その意識付けがカナックス相手に機能したことが,ここまでの加速を見せることができた,その背景にあるのかな,と思うわけです。


 現段階で,もう1枚の指定席切符はNYR,ではなくて,ニュージャージー・デヴィルスが奪取する可能性が高そうですが,いずれにしてもキングスの戦いぶりは要注目,に感じます。